Fumio Sasaki's Blog, page 22

October 24, 2017

笑いの効能 佐々木典士

筋トレは息を止めないようにするものですが、


吸ったり吐いたりしながらも全身に力が入っています。


 



 


ジムではダンベルでベンチプレスをしているのですが、


先日はその最中に、にやにや笑ってしまい、


あやうくダンベルを落としそうになりました。


笑いながらだと全然できない。


 


 


思い出していたのは、先日書いたHUNTER×HUNTERにからめた特殊能力の話。


A1理論というブロガーさんがいるのですが、


その人はトークイベントに参加すると、イベントで喋られた内容を


ほぼすべて、スマホからtwitterにリアルタイムでアップします。


 


そのスピードがあまりにすごいので、


彼の特殊能力は名付けて「親指実況中継(リトルブルーバード)」


去勢が得意な獣医さんの特殊能力は「強制戦意喪失(テイキングユアボールズ)」


 


 


などなどいろんな知人の特殊能力を勝手に名付けて、オーラを使いながら能力を発動させている場面を想像すると、にやにや笑いが止まらなくなってしまったのです。


 


 


余談でした。


笑いながらだと力が入らないということは、


笑うということは、体の緊張を解く行為でもあるということです。


 


 


一人暮らしだと相対的に笑う回数が少ないと、どこかで見た記憶があります。


相手がいないんだから、そりゃそうかも。


 


 


人前で一人でくすくす笑っていたら気持ちが悪いかもしれませんが、一人で家にいるときは笑うことも我慢せず、むしろ積極的に自分を笑わせにかかったほうがよさそうです。

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Published on October 24, 2017 15:30

October 23, 2017

ミニマリストと過去 佐々木典士

いまでこそ、ミニマリストの人となりはぼんやりとわかっているけれど、


それが生まれはじめの当初は、どんなひとたちがいるのかよくわからなかったので、


とにかく会って話を聞きに行った。


 



 


いろんなミニマリストの話を聞いて思った印象のひとつは


ヘヴィな家庭環境の人だったり過去にいろいろあった人が多いなということだった。


 


 


考えてみれば、モノを減らすことは過去の清算という意味合いもある。


別れた恋人の思い出を手放したりするのが象徴的でわかりやすいかもしれない。


自分の写真すらぜんぜん持っていない、という人も何人か知っている。


 


 


過去を清算して、何か変わりたいと思った人がモノを減らす。


自分の場合といえば、人に語るようなヘヴィな事件はあまりない。


 


 


思い当たるのは、過去のことはあんまり思い出さないということだ。同窓会に出れば、何組でそのクラスには誰々がいてという話になるのだが、ぜんぜん覚えてない。いっぽうなんでも覚えている人もいて(勉強ができたとかは関係なく)やっぱりその人は過去を反芻する回数が多いんじゃないかと思う。


 


 


そんな風に過去にあまりこだわりがないことで、モノを手放せたのかもしれないと思っていた。


 


 


しかし考えが少し変わる。「習慣の鬼」をいろいろ研究しているのだが、そのひとりが村上春樹さんだ。村上さんは穏やかな住宅地域で、問題のない家庭の中産階級に育ったそうで、29歳になるまで小説を書こうとは思っていなかったと言う。なぜなら自分の中にドラマがなく、書くべきことがなかったから。


 


 


しかし、書いているうちに「幼年時代、少年時代に自分が傷ついていないわけでは決してなかった」ということに気がついていく。「人というのは、だれであろうと、どんな環境にあろうと、成長の過程においてそれぞれ自我を傷つけられ、損なわれていくものなんです」と言っている。


 


 


たとえ事件としては大きいものがなくて、平凡に見える人生でもよく見ていくと誰にでもそんな経験があるのではないか。満たされているなら、満たされているなりに何か思ってしまうのが人だ。自分がモノを手放したのも、こだわりがないと思っていた過去が積もり積もってそうさせたのかもしれない。


 


 


「ミニマリストは忘れ物が多い?」という記事も書いたことがある。


 


 


忘れ物が多かったり、片づけが苦手だったり。多かれ少なかれADHDと関係があるひともいるだろう。自分も置いてあるモノや色から受ける影響が大きい人かもしれないと思う。


 


 


過去を清算するために、モノを手放す。


自分の能力に見合った量にするために、モノを手放す。


 


それが防衛反応のようなものだとしたら、誰からも責められるいわれはないと思う。

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Published on October 23, 2017 15:30

October 22, 2017

自力整体も追加 佐々木典士

高校一年生の頃、歩くこともままならないような腰痛になってしまったことがあります。


 


腰痛には原因不明のものが多いと知るのはもっと先のこと、何か原因があるはずだとそのときはいろんな病院に行きましたが、そのたびに違う診断をされてしまいました。(初期のヘルニアだとか、骨折してるかもとか)。


 



 


そのなかで唯一効果があったのが整体でした。それ以来、整体には一目置いています。


 


そういえば、大学でも整体の授業取ってたことがありますね。病院をいろいろ回っても改善されず~という体験が先生の説明とまったく同じだったので、そのことをテストで書いて単位もらいました。


 


 


ヨガもやってるし、筋膜リリースも試してるのだけど、毎日の運動を続けるようになると腰が張ったりメンテナンスの必要を感じました。そんなとき手にとってみたのが矢上裕さんの「自力整体」の本です。


 


 


いろいろと要点はありますが、そのひとつは


骨格のゆがみが不調の元だということ。


 


 


たとえば腰の骨がゆがんだ状態でいると、その周りの筋肉は常に働くことになる。


次第にこりになり、悪化すると腰痛になる。


 


 


さらにこった筋肉によってゆがんだ位置で骨格は固定されてしまう。


だから筋肉を伸ばしたりゆすったりしてこりをほぐし、関節の隙間も広げていく。


筋肉や関節をゆるめて、骨格の位置を正しい位置に収める、と。


 


 


これやってみても見に覚えありまくりだし、歪んでるんだろうなー


気になる腰も左側だけだし。


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骨盤のゆがみから始まりいろんなところもゆがむと。


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肩こり、腰痛、便秘、冷え性、目の疲れ、生理痛、ひざの痛み、O脚、むくみ


などいろんな症状にあわせて、自分で簡単にできる整体が紹介されています。必要なものは使ってもタオルぐらい。ゆすって動かすというのがポイントかもしれません。


 


 


ぼくには大腰筋や骨盤をほぐす運動が効果があったようで、やってみるとすぐに腰や膝の感覚が変わるのがわかりました。


実は自力整体の本は以前にも買ったことがあるのですが、そのときは続きませんでした。


 


 


しかし、今はヨガをしたり、ストレッチをしたり、マットの上で自分のメンテナンスをする習慣が先に身についているので、それに追加するだけ。


 


 


整体も専門家にやってもらうのが本当はいいのだと思いますが、今は近所にもないし、続けるためには費用もかかる。高校生の頃、整体に通わなくなってしまったのも毎回5000円かかるのはなんか親に申し訳ないなぁと思ったのが原因のひとつです。


 


 


毎日やりたい人にとっては、自力整体は効果的かと。専門家にやってもらった捕捉にもなるかも。


何より大事なのは継続。◯◯体操みたいなのも無限にあるので、続けるためにはどれに絞るかですよね。


 


 


もちろん病院でないと解決できない種類の病気もあるはず。


それだけですべて解決する! というものは眉唾だと疑ってかかりましょう。


自分には効果があったからといって、まわりに無理にすすめないこと。


ミニマリズムの話と一緒ですな。


 


 


自力整体はぼくには効果がありそうですが、いろいろ試されるなかのひとつとしてご紹介させて頂きます。



矢上裕「DVD症状別 はじめての自力整体」

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矢上さんの自力整体の本はいろいろとありますが、


新しい著作だけにポップで見やすいです。

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Published on October 22, 2017 17:19

October 21, 2017

選挙と習慣 佐々木典士

習慣には「1枚のコイン」問題というのが存在する。


お金持ちになることが1000万円貯めることだとする。


すると目の前の10円を拾うことなど目標達成のためにほとんど役に立たない、つまらないものに見えてしまう。


 



 


英語をすでにペラペラと話している人を見れば、自分が今必死になって覚えようとしているひとつの単語など意味がなく思えてくる。


 


つまり、今自分がしている行為と、目標達成のために必要な総数を比べてしまい、その大きさを前にしてやる気がなくなるという問題である。


 


 


選挙も同じようなものだと思う。大勢は先に報道されてしまうので、


勝ちそうな方に入れても、負けそうな方に入れても、


自分の一票など意味がない気がしてしまう。


大して変わらないなら、雨の中出かけていくのも面倒だ。


 


 


ぼくも過去に「どうせ死票になってしまうから」という理由で選挙に行かなかったことがある。


 


 


選挙に行かない学生の理由として「間違った投票をして世の中を悪くしたくないから」というツイートが話題になった。これにも共感した。よくわかっていないことにも口を出す人が多いなか、慎ましくもある。


 


 


投票しないのも意思表示。それもそうだと思う。


東浩紀さんの積極的棄権にも共感した。


 


 


それでも今回の選挙は「自分が決定権を握っている」想定で投票に望んでみた。


自分が間違っていたとしてもそれも受け入れたい。すべてを把握してから行動するのも無理である。


今まで間違いばかりおかしてきたのだから、今後も間違えながら修正していく。


 


 


「1枚のコイン問題」を乗り越えるために大事なのは、目標を達成することではなく、行為自体に喜びを見いだすことだ。

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Published on October 21, 2017 16:08

October 20, 2017

旅と習慣  佐々木典士

2泊3日の旅を終えて京都に戻ってきた。


旅先だといつもと違う環境なので


できない習慣はある。


 



 


そこでも守るべき習慣としてはやはり早起きだと思う。


道具がなくても、どこでもできるからだ。


 


 


早起きしていると、旅の朝早い電車に乗るためにいつもと違う時間に起きて……


というプレッシャーもない。特別な「早起き」もほとんど存在しなくなる。


 


 


帰ってきても、起きる時間が同じならばそこからまたスタートできる。


やはり早起きは先鋒であり、大将だ。


そして「ふっかつのじゅもん」をしっかり残せていれば、同じように再開できる。


 


 


あんなに旅が好きだったのに、習慣を実践していると少し足が遠のいた。


習慣の仕組みが強固でないうちは、旅で習慣が崩れる可能性を感じたからだ。


 


 


しかし、崩れてしまうのではと不安になっているうちは、まだ習慣が身に付いていないとも言える。


ミニマリズムのゴールは、「ミニマリズムを実践しています」と意識しなくなったときではないかと思う。意識せずともした行動にミニマリズムが宿っているようなとき。


 


 


習慣のゴールも同じ。「崩れるかどうか心配」なうちはまだ身に付いていない。


 


多少例外はあっても、「この程度のことで続けてきたことをやめるはずがない」という自信ができたとき、そして習慣とすら意識せず、ただ続いてるような状態が本当の習慣の合図かもしれない。

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Published on October 20, 2017 15:30

October 18, 2017

経験を盗もう 〜盗賊の極意〜 佐々木典士

ぼくは人の話を聞くのが好きで、これは自分でも好きなところだ。


今日の日本橋BOOKCONでも10人ぐらいの方とひとりひとりたっぷりお話を聞いて楽しかった。「茶室」と称していた不動前時代のミニマリストモデルハウスでも、初対面の人を家に招き数時間ずつ話していたのだが、その感覚を思い出した。


 



 


編集者時代に、インタビューをして原稿を書くことも多かったので、


人に話を聞くのに慣れているということはある。


 


 


しかし、編集者でも聞くより話をするのが好きなひとは多い。


ぼくは話を聞くほうが圧倒的に好きだ。


 


 


理由を簡単に言えば、


自分が話す内容について、自分はすでに知っているからだ。


 


 


誰かに話をすることで、より自分についてわかってくるということはある。


うまいインビュアーの手にかかると、自分の考えていることが、よりはっきりしてきたりする。


 


 


しかし、それでも自分がまったく見知らぬ内容ではない。


ぼくが話を聞くことが好きなのは、自分の全然知らないことがわかるからだ。


 


 


一度きりしかない人生は、就けない職業だらけであり、住むことのできない場所だらけ。


その仕事がどんなものでどんな難しさを抱えているのか、その土地に生まれ落ちるとどんな感覚なのか、その趣味を実践するとどんな楽しさがあるのか、とにかくその人が見ている景色を知りたい、自分の視点に追加したい。


 


 


「話を聞く」といえば、相手に寄り添う意味もあるが、実際には自分の好奇心が上回っていて、単に欲張りな面が強い。


 


 


今日はポエトリー・リーディングの様子を伺い、私鉄の駅員とコールセンターの仕事を想像し、スケートカルチャーと恋の始まりと、31年間の結婚生活について思いを馳せた。


 


 


糸井重里さんには「経験を盗め」というシリーズの本があって未読なくせに、そのタイトルの意味するところだけはいつも心にある。ぼくに特殊能力が備わるとしたら、間違いなく「HUNTER×HUNTER」のクロロのような、盗んで使う能力だと思っている。


 


 


ぼくが聞くほうが好きなのは、話す声にも、話す技術にも自信がないのもある。


そこに自信があれば、もっと話すほうに寄っていたかもしれない。


でも聞ける人は少ないので、助かっていたりもする。


 


 


あたりまえだが、聞いたことは実際に体験することとは全然違う。


だけど、みんなもっと盗むつもりでいろいろ聞いたらいいのに、いいの?


じゃあもらっちゃうよ。と思うこともままある。

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Published on October 18, 2017 07:47

October 17, 2017

杉本博司「江之浦測候所」最小限レビュー  佐々木典士

今日は、なんだかすごいものを見た。


 


ここまでお金も労力も本気もかけたものにお目にかかれることは、あまりないと思う。


とにかく体験する場所だと思うので、具体的な紹介や写真は最小限にとどめたい。


 



 


杉本博司さんの「ロスト・ヒューマン」展は


33通りのストーリーで人間が滅亡した後の世界を描くというものだった。


 


ここ「江之浦測候所」にある建築物は失われつつある伝統工法を使い、日本建築史を通観したもの。


 


 


耐用年数は1万年を想定しているという。


こんな風に思考の射程が長いところに惹かれてしまう。


 


 


アートの起源?

 


 


いろいろ言いつつもたとえ杉本博司さんのことを何も知らなくても楽しめる施設だ。


 


 


ぼくも沼畑さんも人並み以上にはアートが好きだと思うが、最近は夕陽がどうとか月がどうとかいう話ばかりししている。


つまり人の作為や意図を超えたもの、古代の人間も自分と同じように楽しんでいただろう普遍性のあるものに惹かれている。


 


 


ここも「江之浦美術館」ではなく「測候所」。


名前の通り、ここは太陽の光を眺める場所だ。


 


「冬至光遥拝隧道」は冬至の朝のみ光がまっすぐ差し込んで来るという、洞窟のようなつくり。


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「夏至光遥拝100メートルギャラリー」は夏至の朝の光。


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太陽の運行が季節によって変わり、それが巡る。


その記憶こそが人に意識を発生させ、ひいてはアートの起源になったのではないかという問いがこの場所の設計を貫いている。


 


オープンワールドRPG?

 


しかし、小難しく考えなくても楽しめるのがいい。


まず、ここに訪れるには時間を指定して予約する必要がある。


 


 


そうして最大でも50人に制限された客が、1万平米の敷地に放たれ自由に行動できる。


今日は雨だったせいもあって、20人ぐらいだったろうか。


 


順路もないし、2時間たっぷり好きなように使える。


 


 


太陽の位置にあわせて設計された最新の遺跡。


それを自由に巡るのはオープンワールドの「ゼルダの伝説」のようでさえある。


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立ち入れない場所には、そっと止め石が置いてあり知らせてくれる。


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客もアートになる?

 


何がアートかというのはぼくの手に負える問題ではないが、


ルーブル美術館で人だかりのせいで遠目に観ることしかできない「モナリザ」より


誰もいない画廊で無名の絵に対峙する行為のほうがアートに近いような気もする。


 


 


人が少ないので、急かされることなく何かを感じ、感じたことについて考えを巡らせられる。


 


 


おもしろいのはここに来ている来客も、アートの一部のように感じることだ。


 


 


少ないと人はアートになるのか?


立っている人が絵になるので、それを込みで撮りたくなる。(ぼくを撮っている人もいたので他の人もそうみたいだ)。


自分もアーティストになる。


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目の前には有名な「海景」シリーズの元になったという海が広がっていて、それも撮って「杉本博司ごっこ」までやりたくなってしまう。


 


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絵をじっくり見る前に、解説文をまず読むような行為もアートからは遠いような気がする。


が、何気なく置かれている石が、法隆寺創建時の礎石だったり、知らずに踏んでいる石が藤原京の石橋だったりして、そういう歴史に思いを馳せる楽しみもあるし、無限に語れるような素材がある。


 


 


 


普遍性のあるものに惹かれると言ったが、個人的な体験もやはりまたアートの一部なのかもしれない。


 


 


この施設には、根府川駅から送迎バスが出ている。


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駅前にはカフェもコンビニもない(JAと郵便局はある)ので、


昼ごはんは、八百屋で買ったバナナと自販機の甘いコーヒーになった。


異様に寒い今日、それを食べながら無人駅の根府川駅で時間をつぶす。


 


 


バスが来て、窓ガラスを曇らせながら山道をのぼっていく。


 


 


雨は冷たかったが、「雨聴天」という茶室は雨音を聴くところから名前がつけられている。


もともと蜜柑畑だったという敷地には、これから季節がはじまる蜜柑がいい色になっていた。


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最後にもう少しちらっと。


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とりあえず「世界一美しい荷物置き」がある場所かもしれない。


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どう思うにしろ、とにかく行ってみる価値のある場所だと思う。


 


熱海も、湯河原も近いので温泉にからめて楽しむのもいい。


 


まだ予約はパンパンではないようだし、


そのうち予約できなくなったら平日に有給使ったっていい。


 



 


「江之浦測候所」


見学は予約制。根府川駅から送迎バスつきのプランあり。


http://www.odawara-af.com/ja/enoura/

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Published on October 17, 2017 05:07

October 15, 2017

タモさんのバー? 佐々木典士

地下に降りていくと、暗い店内に置かれているスピーカーが目立つ。


重厚な一枚板のカウンターと、棚にならんだ年代もののウイスキー。


おそらくジャズを聞かせるバーなのだろう。



店内には誰もいなかった。タモさんの店でもこんなことがあるんだなと思ったが口には出さない。ぼくはカウンターを避けて、壁沿いのテーブル席に座った。


 


「タモさん、祐天寺のあのカレー屋行きました?」


 


常連らしいぼくはタモさんに話しかけている。


デニムのエプロンをつけたタモさんは、カウンターから出てきてぼくと背中合わせになるような位置に座る。タモさんはぼくの質問に応え、世間話がはじまった。


 


 


ここの店の名物もカレーであるらしい。


お腹いっぱいにカレーを食べたぼくは、座ったテーブルで眠り込んでしまったようだ。いざ起きようとすると、なぜか首まわりが重く動かない。どうやら首を誰かに締められている。動けず、相手を見ることはできない。まさかタモさんが……なんで??


 


ここで自分のベッドで目覚めた。一瞬安心する。


 


しかしまだ夜明け前のはずなのに、近所が騒がしい。サイレンが鳴り響き、パトカーなのか、消防車なのか赤いランプの光が部屋の中で反射している。


 


ベッドから起き上がろうとするぼくは「そうだ、世界は火の海になってしまったのだ」と直感する。


 



 


……と、まさかの二重夢オチの夢を見た。


 


 


最近はあまり夢を見なくなっていたけど、以前は夢があまりにシュールなものばかりなので(『キャプテン翼』の二次元キャラクターたちと一緒に合唱コンクールに出たりとか)、メモをつけていた。


 


 


最近、魚を焼いていたら煙で火災報知器がなってしまったので、それが夢に反映されているらしい。しかしなぜタモさん?? 知らなかったけど、実際にジャズバーを経営されているという情報も……。


 


 


2日間ほど、耳栓をつけて寝ていたのでそのせいではっきり夢を見たのかとも思った。


検索すると、実際に同じようなことを言っている人もいたので、何か知っている人がいたら教えてくださいね。

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Published on October 15, 2017 15:31

October 14, 2017

早起きと季節のヒント 佐々木典士

沼畑さんは編集の仕事で忙しく働いているとき、昼と夜しかなかったのが嫌だったと言っていた。


 


ぼくが編集者のときもそうだった。不規則で夜遅くなることも多いので、自然と始まりの時間も遅くなり、朝はなくなる。


 



 


夕方に外に出ることはあっても、どこかの空が赤く染まっているのはわかっても夕陽はビルに阻まれて見れない。


はじまりは昼。仕事が終わると夜。


 


ビルはしょうがなかったにしても、業界や会社のしきたりに合わせず、自分のリズムを保つ方法はもっとあったと思う。少なくても今ならそうする。


 


 


今は相変わらず5:30に起きている。


その時間だと季節に応じて、起きた時の明るさが徐々に変わっていく。


 


 


夏ならすでに日が出ている時間だが、


今はいつの間にか日の出を追い抜き、起きるとまだ暗い。


(早起きで有名な哀川翔さんは「太陽に負けたくない」という気概で早起きしている)


 


 


起きてからいちばん最初にするのはヨガ。


ヨガをしていると、だんだんと部屋は明るくなっていく。


そのグラデーションが心地よい。


 


 


季節の移り変わりを感じるのは楽しいものだ。


ヒントはあちこちに散らばっている。


 


 


早起きすると、そのヒントのひとつが得られることがある。


ちょっと嬉しい特典である。

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Published on October 14, 2017 15:30

October 13, 2017

理想の枕を探す旅 佐々木典士

枕を意識しはじめた、最初はテンピュールだった。


テンピュールのオリジナルの形。このテンピュールとは相性がよくて5年近くは使っていたのではないか?


 



 


気に入って使っていたのだが、長く使ったこともあって別のテンピュールに変えた。


 


長い旅のはじまり

 


テンピュールミレニアムは複雑な形状に進化していてより体にフィットするように見えた。しかしこの枕があわず首が痛くなってしまった。ここから長い旅がはじまる。


 


泊まったホテルで、いつもとは違う枕でとてもすっきりと目覚めることがある。


そうすると枕カバーをひっぺがし、メーカーを見て同じものを注文した。


しかし、最初の数日は調子がよくてもそのうち首が痛くなってきてしまう。


 


おかしい。


 


 


そのうち枕問題に対する最終解決がしたくなり、オーダーメイドの枕を注文しにいった。


体のサイズがスキャンして測られる。そのサイズを元に、専門の知識を持ったおばさんと


中に詰め込む材料を決め、試しに寝て、を繰り返しながら枕の高さを決めていく。


 


 


これも最初は調子がよかったが、やはりしばらくするとダメだった。


これはショックだった。なかなかに途方にくれた。オーダーの枕は確か2万円はしたし、オーダーでもダメならどうすればいいというのか。


 


訪れた悟り

 


もうこうなったら根本的な疑問をぶつけるしかなかった。


「そもそも枕は必要なものなのだろうか?」


何もないところで寝たり、タオルを折ったものを使ってみたり。


これもしばらくすると首が痛い。


 


ここでようやく悟った。


自分は「世界のどこかには、自分にぴったりの枕があるはず」だと思っていた。


ただ見つけられていないだけで、どこかには必ず存在している。


だからそれを見つけさえすればいいのだと。


 


 


違った。歪んでいるのは自分の体だったのだ。


思えば、子どもの頃に枕で悩んだことなどなかったのだから。


 


 


椅子でも同じようなこだわりを続けてきた。品質のいい椅子は確かにいいものだ。


しかし座っている椅子がアーロンチェアでなくたって、自分の座り方と姿勢がしっかりしていれば問題ない。品質のいい椅子が歪みという問題を先延ばししてしまうこともあるだろう。


 


 


今の枕とは言えば、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』という清野とおるさんの漫画で「怪物」と称されていたニトリ先生の低反発枕に落ち着いている。値段はオーダーの枕の20分の1……。


 


 


「どこかに必ず、自分にぴったりのものが存在している」


というのは、自分の外側に問題があるという考え方でもある。


 



清野とおる「そのおこだわり」、俺にもくれよ!!

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思わず真似したくなる、B級おこだわりの数々……。

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Published on October 13, 2017 15:52

Fumio Sasaki's Blog

Fumio Sasaki
Fumio Sasaki isn't a Goodreads Author (yet), but they do have a blog, so here are some recent posts imported from their feed.
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