Fumio Sasaki's Blog, page 13

September 14, 2018

ミニマリストの防災用品&アウトドアグッズ まとめ佐々木典士

ミニマリストといえど、災害用品だけは別!


「いつか使うもの」を手放すのはモノを減らす時に考えるべきことですが、災害用品だけは別!


日本で生きていくということは、災害と共に生きていくということ。ぼくたちがこれから生きていく間にもまた大きな地震や災害はあるはずです。何の準備もしていないのは、もうアカン。


 


とは言っても、非常時にしか使えなさそうなものも持ちたくない。ぼくが選んでいる基準は、


・アウドドアで使えるものなど普段から兼用しやすいもの


・ミニマリストらしく軽くコンパクトになるもの。できる限りデザインもいいもの。


というもの。いざとなったら役に立つものをご紹介したいと思います。


 


電源系

現代の防災においては、何よりもスマホの電源の確保が重要。今回の北海道の地震ではネット回線も途切れたようですが、コンパスに照明にと、多用途に使えるスマホはいつでも使えるようにしておきたい。


 


Anker PowerCore 10000 (10000mAh 最小最軽量 大容量 モバイルバッテリー)


普段のお出かけから、旅行まで幅広く使っているのがこちら。手持ちのスマホは2000mAhなので大体4〜5回は充電できます。以前はもっと小さいもの、軽いものにこだわっていましたが、これぐらいの容量たっぷりで少々充電を忘れてもしばらく使えるものに最近は落ち着いています。


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suaoki U10 ジャンプスターター モバイルバッテリー 20000mAh大容量


普段使いはしませんが、さらに大容量のものも持っておくと安心。こちらは車のバッテリーがあがったときジャンプスターターとしても使えるもの。JAFの出動理由の第一位はバッテリーあがりだそうです。他人の車と接続するより簡単だし、もちろん誰かを助けることもできます。大きめのライトもついています。車に乗っている人は1台車載しておくのがよいかと。


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熱源系

電気もガスも止まったときのために、お湯を沸かしたり、料理をしたい。火さえ起こせればあればたいていのことはなんとかなる。ぼくが住んでいる田舎であれば、その辺の薪を燃やせばいいわけですが、都会ならそうもいかないはず。そんなときは、アウトドアグッズの出番です。熱源は複数持っておくと安心。


 


ソト(SOTO) レギュレーターストーブ


薬局でもコンビニでも置いてあるカセットガス(CB缶)は手に入りやすく、1台は持っておきたいもの。普段、鍋用にカセットコンロを使っている人はもちろんそれでOK。持っていない人は、もっとコンパクトになりつつも、安定性もあるというこちらがおすすめ。SOTOのストーブはどれもデザインが良いです。カセットガスもミニマルデザインでおしゃれ。ぼくはキャンプや車中泊用に、車に常備しています。


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ソト(SOTO) マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター


寒冷地などより厳しい環境でも使え、容量もコンパクトなガス(アウトドア缶=OD缶)を使うシリーズ。登山なんかで使う方が多いものですね。ゴトクなどの安定性は上記には及びませんし、ガスもアウトドアショップなどでないと手に入りにくいものですが、より小ささ、軽さを求める環境のときに。


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エバニュー(EVERNEW) チタンマグポット500ストーブセット


カップはこちらを愛用。OD缶1つががすっぽり入るサイズ。薄いチタンでとっても軽い。こちらはアルコールストーブもセットになっていて、登山の時など軽くしたいときはこちらを持っていきます。小枝なんかも燃やして燃料にできるのがワクワクします。外で食べると、カップラーメンですらめちゃくちゃおいしい。


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小堺製薬 ネンコール 500mL


燃料用アルコールはこういうの。アウトドアショップや、ドラッグストアなどで売っています。


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ナルゲン(ナルゲン) 細口角透明ボトル 125ml


アルコールはこういうしっかりしていてなおかつ軽いボトルに小分けにして持っていきます。


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ソト(SOTO) スライドガストーチ


上記で紹介したSOTOのストーブには、着火する機能がついていますが、焚き火をする時などに必要になってくるのがライター。そんなときの定番はこちら。伸びて安全に着火ができます。カセットガスから、燃料の補充ができるのも便利で、普段使いにも重宝します。


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LIGHT MY FIRE(ライトマイファイヤー)ファイアースチールスカウト2.0


濡れようが何しようが、安定して火花を起こせる&気分が盛り上がるのがファイアスターター。そのへんのティッシュにシュッとやれば、すぐに火を起こすことができます。


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照明系

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) リボルト


登山に必須なヘッドランプ。キャンプなんかでも夜作業したり、トイレに行く時に重宝します。懐中電灯と違うのは頭に装着するので、両手が空くということ。だから非常事態にも役に立ちます。USB充電でも、単4電池でも両方使えるこちらはおすすめ。


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PETZL(ペツル) ヘッドライト イーライト


ウルトラライト御用達の、とっても小さく軽いヘッドライトはこちら。小さいのにすごい光量。登山ならサブとして。非常用なら充分使えます。


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スノーピーク(snow peak) ガスランタン リトルランプ ノクターン


キャンプの時なんかに使うランタンはこれ。コンパクト&スリム。ガスはOD缶。デザインが美しいこのノクターンは一時期大人気過ぎて全然買えませんでしたが、今は普通に買えるようになりました。


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エムパワード ラックス 暖色インフレータブルLEDソーラーランタン


つけっぱなしにしておくと、大体一晩で消えるので持続性はあまりありませんが、何より太陽光で充電できるのが安心感があります。メインと言うよりちょっとしたときに使い勝手が大変よいです。使わないときは空気を抜いてくしゃっとたためる作り。防水なので、お風呂で使ったりしても楽しいです。


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飲料水系

ブリタ 浄水 ポット 1.1L リクエリ


普段遣いしているカートリッジ式の浄水器。重い2Lのペットボトルを買ってくる必要がなくなるし、ペットボトルのゴミも減ります。カートリッジは2ヶ月持ちます。飲んだら足すで、いつもこれはいっぱいにしておきます。


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nalgene(ナルゲン) フォールディングカンティーン 1.5L


ナルゲンといえば、プラスティックの硬いボトルが有名ですが、こちらは柔らかく折り畳めて小さくなるタイプの水筒。こちらもウルトラライト御用達。登山やキャンプの水くみなどで大活躍しています。車中泊でもこれいっぱいにブリタで浄水した水を入れていけば、何日も過ごせます。


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SAWYER ソーヤー ミニ 携帯用浄水器


ペットボトルに接続したり、ストローのようにして使えるとってもコンパクトな浄水器。0.1マイクロメートルのファイバーフィルターが、微生物やバクテリアをブロック。普段は使いませんが、災害時に水を汲むようなときも安心。ぼくは何かあれば近所の池の水をこれで吸えばいいと思っています。


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アイリスオーヤマ 防災グッズ ウォータータンク 10リットル


コンパクトにたためるウォータータンク。これも念のためにいつも車載しています。


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食料、備蓄系

ホエイプロテイン 1kg 無添加 ナチュラル


愛用しているプロテインはこちら。クセがないので飽きずに飲めます。普段は牛乳で飲んでいますが、いざとなれば水さえあればプロテインだけでしばらくいけると思っています。乾燥しているので、もちろん長持ち。普段から飲んでいてなくなったら買うので、ローリングストックがしやすいのがプロテインではないかと。


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4種 ミックスナッツ 1kg NEW (生くるみ33% アーモンド38% カシューナッツ18% 生マカダミア11%)


ナッツは健康的で毎日食べたい! でもコンビニや無印さんで小分けのを買うと高い! というわけで1kg入ったこちらを愛用。部屋に置いておくと、ボリボリ食べてしまうので車に置いています。ナッツはハイカロリー&保存性もよいので非常食としてはすごく優れていると思います。こちらの袋は遮光性もあるので保存性も高い。これだけで何日も過ごせると思っています。


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trangia(トランギア) メスティン


あとは、もう基本的には米があれば。ぼくは玄米がいつも置いてあります。火があって米が炊ければ、もうそれでいい。こちらのメスティンはふだんはお弁当箱として使っていますが、米を炊くと美味しいと評判の一品。お弁当箱としてはありえないぐらいかっこいい名前も好きですね。トランギアのメスティン!!


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情報系

SONY FMステレオ/AMポケッタブルラジオ


今回の北海道の地震でも、インターネットは途切れ途切れになってしまったそう。そんな時でも役に立つのはやっぱりラジオ。とってもコンパクト&軽いこちらはおすすめ。チューニングもアナログで質実剛健。使用電力もわずかで長持ち。15年使っても壊れなかったとかで信頼性のあるラジオ。なぜか値上がりしてますね……。


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テント、寝袋

テントや寝袋は、何人で使うか、どうやって持っていくか(車か人力か)、どんな気温のところへ行くか、で幅広い選択肢があります。ここで挙げているような、コンパクトになり軽いテントや寝袋は、はっきり言って高いです! ぼくの場合は登山用にとにかく軽いものを選んでいますが、非常用ならここまででなくてもそれなりのもので充分だと思います。一応参考までに。


 


MSR Freelite 1


ぼくが使っているのはこちら。広さも最小限。しかしそれだけに約1kgという重量でとっても軽い作り。MSRはカラーリングと、テントを張った姿がとっても美しいと思います。テントは購入をしばらく悩んでいたんですが、熊本の地震の際に背中を押されて購入。たとえば体育館に避難せざるを得ないような時に、自立型のテントなら目隠しにもなります。避難時はプライベートをどうやって確保するかが結構な問題になるそうで、そういうときのための安心感もあります。


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ウェスタンマウンテニアリング(WESTERN MOUNTAINEERING)サマーライト


こちらもウルトラライトの方御用達の3シーズン(春、夏、秋)用の寝袋。生地はさらっさらで、とっても簡単にコンパクトに収納できます。ダウンの質感も高く作りが丁寧で、寝るのが楽しくなるほどクオリティが高いです。


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NANGA(ナンガ) [山渓×NANGA] オーロラ900DXオールブラック


こちらは冬の車中泊用。コラボによる寝袋には珍しいブラック。オーロラは防水性のある生地です。かさばるし、重いですが外がどんなに厳しい寒さだろうと、この寝袋の中に潜り込むと、一足はやく春が訪れるので笑ってしまいます。寒くて寝られないような人は家の中でも寝袋で寝るのはありですね。身体の熱を逃さない寝袋は、布団? なにそれ状態であったかくなります。ガチの厳冬用。これさえあればどんな状態になろうとも凍死とは無縁です。



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あとはこういうのも


アドベンチャーメディカルキット


笛や、ダクトテープ、小さなコンパスなど緊急時に使用するもののセット。気休めではありますがコンパクトなのでこれに絆創膏なども入れて保管しています。


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そして、これらのアウトドアグッズのほとんどをこういうスーツケースに入れて保管しています。海外でもリュックでいっちゃうので、スーツケースは出番がほとんどありませんが、タンス代わりに。大事なもの+服も入れているので何かあればこれだけ持って避難すれば良いと。持ち出し袋としてのスーツケース使用です。


[サムソナイト] スーツケース Janik ジャニック スピナー50 42L 機内持込可


機内持ち込み可能なサイズでは最大の容量。こちらのシリーズを使っています。


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現状の反省としては水の備蓄が足りないので、大きめのペットボトルは非常用に用意しようと思います。あとはスマホ用に小さめの太陽光のパネルとかもあってもいいかなと。


 


ぼくはキャンプや登山なんかが趣味のひとつなので充実していますが参考になる部分もあるのではないかと。ミニマリスト以後、増えたもののひとつがアウトドアグッズなのですが、これらはまとめても大した容量にはなりません。普段から使えて、しかも安心感があるのでやっぱり増やしてよかったなと。


 


災害時に出口を塞いだり、落ちて怪我をしてしまうようなモノはできるだけ少なく。そして非常用のものはきちんと持つ。それが最強だと思います。

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Published on September 14, 2018 14:46

ミニマリストの防災用品&アウトドアグッズ まとめ佐々木典士

ミニマリストといえど、災害用品だけは別!


「いつか使うもの」を手放すのはモノを減らす時に考えるべきことですが、災害用品だけは別!


日本で生きていくということは、災害と共に生きていくということ。ぼくたちがこれから生きていく間にもまた大きな地震や災害はあるはずです。何の準備もしていないのは、もうアカン。


 


とは言っても、非常時にしか使えなさそうなものも持ちたくない。ぼくが選んでいる基準は、


・アウドドアで使えるものなど普段から兼用しやすいもの


・ミニマリストらしく軽くコンパクトになるもの。できる限りデザインもいいもの。


というもの。いざとなったら役に立つものをご紹介したいと思います。


 


電源系

現代の防災においては、何よりもスマホの電源の確保が重要。今回の北海道の地震ではネット回線も途切れたようですが、コンパスに照明にと、多用途に使えるスマホはいつでも使えるようにしておきたい。


 


Anker PowerCore 10000 (10000mAh 最小最軽量 大容量 モバイルバッテリー)


普段のお出かけから、旅行まで幅広く使っているのがこちら。手持ちのスマホは2000mAhなので大体4〜5回は充電できます。以前はもっと小さいもの、軽いものにこだわっていましたが、これぐらいの容量たっぷりで少々充電を忘れてもしばらく使えるものに最近は落ち着いています。


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suaoki U10 ジャンプスターター モバイルバッテリー 20000mAh大容量


普段使いはしませんが、さらに大容量のものも持っておくと安心。こちらは車のバッテリーがあがったときジャンプスターターとしても使えるもの。JAFの出動理由の第一位はバッテリーあがりだそうです。他人の車と接続するより簡単だし、もちろん誰かを助けることもできます。大きめのライトもついています。車に乗っている人は1台車載しておくのがよいかと。


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熱源系

電気もガスも止まったときのために、お湯を沸かしたり、料理をしたい。火さえ起こせればあればたいていのことはなんとかなる。ぼくが住んでいる田舎であれば、その辺の薪を燃やせばいいわけですが、都会ならそうもいかないはず。そんなときは、アウトドアグッズの出番です。熱源は複数持っておくと安心。


 


ソト(SOTO) レギュレーターストーブ


薬局でもコンビニでも置いてあるカセットガス(CB缶)は手に入りやすく、1台は持っておきたいもの。普段、鍋用にカセットコンロを使っている人はもちろんそれでOK。持っていない人は、もっとコンパクトになりつつも、安定性もあるというこちらがおすすめ。SOTOのストーブはどれもデザインが良いです。カセットガスもミニマルデザインでおしゃれ。ぼくはキャンプや車中泊用に、車に常備しています。


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ソト(SOTO) マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター


寒冷地などより厳しい環境でも使え、容量もコンパクトなガス(アウトドア缶=OD缶)を使うシリーズ。登山なんかで使う方が多いものですね。ゴトクなどの安定性は上記には及びませんし、ガスもアウトドアショップなどでないと手に入りにくいものですが、より小ささ、軽さを求める環境のときに。


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エバニュー(EVERNEW) チタンマグポット500ストーブセット


カップはこちらを愛用。OD缶1つががすっぽり入るサイズ。薄いチタンでとっても軽い。こちらはアルコールストーブもセットになっていて、登山の時など軽くしたいときはこちらを持っていきます。小枝なんかも燃やして燃料にできるのがワクワクします。外で食べると、カップラーメンですらめちゃくちゃおいしい。


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小堺製薬 ネンコール 500mL


燃料用アルコールはこういうの。アウトドアショップや、ドラッグストアなどで売っています。


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ナルゲン(ナルゲン) 細口角透明ボトル 125ml


アルコールはこういうしっかりしていてなおかつ軽いボトルに小分けにして持っていきます。


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ソト(SOTO) スライドガストーチ


上記で紹介したSOTOのストーブには、着火する機能がついていますが、焚き火をする時などに必要になってくるのがライター。そんなときの定番はこちら。伸びて安全に着火ができます。カセットガスから、燃料の補充ができるのも便利で、普段使いにも重宝します。


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LIGHT MY FIRE(ライトマイファイヤー)ファイアースチールスカウト2.0


濡れようが何しようが、安定して火花を起こせる&気分が盛り上がるのがファイアスターター。そのへんのティッシュにシュッとやれば、すぐに火を起こすことができます。


[image error]


照明系

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) リボルト


登山に必須なヘッドランプ。キャンプなんかでも夜作業したり、トイレに行く時に重宝します。懐中電灯と違うのは頭に装着するので、両手が空くということ。だから非常事態にも役に立ちます。USB充電でも、単4電池でも両方使えるこちらはおすすめ。


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PETZL(ペツル) ヘッドライト イーライト


ウルトラライト御用達の、とっても小さく軽いヘッドライトはこちら。小さいのにすごい光量。登山ならサブとして。非常用なら充分使えます。


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スノーピーク(snow peak) ガスランタン リトルランプ ノクターン


キャンプの時なんかに使うランタンはこれ。コンパクト&スリム。ガスはOD缶。デザインが美しいこのノクターンは一時期大人気過ぎて全然買えませんでしたが、今は普通に買えるようになりました。


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[image error]


エムパワード ラックス 暖色インフレータブルLEDソーラーランタン


つけっぱなしにしておくと、大体一晩で消えるので持続性はあまりありませんが、何より太陽光で充電できるのが安心感があります。メインと言うよりちょっとしたときに使い勝手が大変よいです。使わないときは空気を抜いてくしゃっとたためる作り。防水なので、お風呂で使ったりしても楽しいです。


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[image error]


飲料水系

ブリタ 浄水 ポット 1.1L リクエリ


普段遣いしているカートリッジ式の浄水器。重い2Lのペットボトルを買ってくる必要がなくなるし、ペットボトルのゴミも減ります。カートリッジは2ヶ月持ちます。飲んだら足すで、いつもこれはいっぱいにしておきます。


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nalgene(ナルゲン) フォールディングカンティーン 1.5L


ナルゲンといえば、プラスティックの硬いボトルが有名ですが、こちらは柔らかく折り畳めて小さくなるタイプの水筒。こちらもウルトラライト御用達。登山やキャンプの水くみなどで大活躍しています。車中泊でもこれいっぱいにブリタで浄水した水を入れていけば、何日も過ごせます。


[image error]


SAWYER ソーヤー ミニ 携帯用浄水器


ペットボトルに接続したり、ストローのようにして使えるとってもコンパクトな浄水器。0.1マイクロメートルのファイバーフィルターが、微生物やバクテリアをブロック。普段は使いませんが、災害時に水を汲むようなときも安心。ぼくは何かあれば近所の池の水をこれで吸えばいいと思っています。


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アイリスオーヤマ 防災グッズ ウォータータンク 10リットル


コンパクトにたためるウォータータンク。これも念のためにいつも車載しています。


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食料、備蓄系

ホエイプロテイン 1kg 無添加 ナチュラル


愛用しているプロテインはこちら。クセがないので飽きずに飲めます。普段は牛乳で飲んでいますが、いざとなれば水さえあればプロテインだけでしばらくいけると思っています。乾燥しているので、もちろん長持ち。普段から飲んでいてなくなったら買うので、ローリングストックがしやすいのがプロテインではないかと。


[image error]


4種 ミックスナッツ 1kg NEW (生くるみ33% アーモンド38% カシューナッツ18% 生マカダミア11%)


ナッツは健康的で毎日食べたい! でもコンビニや無印さんで小分けのを買うと高い! というわけで1kg入ったこちらを愛用。部屋に置いておくと、ボリボリ食べてしまうので車に置いています。ナッツはハイカロリー&保存性もよいので非常食としてはすごく優れていると思います。こちらの袋は遮光性もあるので保存性も高い。これだけで何日も過ごせると思っています。


[image error]


trangia(トランギア) メスティン


あとは、もう基本的には米があれば。ぼくは玄米がいつも置いてあります。火があって米が炊ければ、もうそれでいい。こちらのメスティンはふだんはお弁当箱として使っていますが、米を炊くと美味しいと評判の一品。お弁当箱としてはありえないぐらいかっこいい名前も好きですね。トランギアのメスティン!!


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[image error]


情報系

SONY FMステレオ/AMポケッタブルラジオ


今回の北海道の地震でも、インターネットは途切れ途切れになってしまったそう。そんな時でも役に立つのはやっぱりラジオ。とってもコンパクト&軽いこちらはおすすめ。チューニングもアナログで質実剛健。使用電力もわずかで長持ち。15年使っても壊れなかったとかで信頼性のあるラジオ。なぜか値上がりしてますね……。


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テント、寝袋

テントや寝袋は、何人で使うか、どうやって持っていくか(車か人力か)、どんな気温のところへ行くか、で幅広い選択肢があります。ここで挙げているような、コンパクトになり軽いテントや寝袋は、はっきり言って高いです! ぼくの場合は登山用にとにかく軽いものを選んでいますが、非常用ならここまででなくてもそれなりのもので充分だと思います。一応参考までに。


 


MSR Freelite 1


ぼくが使っているのはこちら。広さも最小限。しかしそれだけに約1kgという重量でとっても軽い作り。MSRはカラーリングと、テントを張った姿がとっても美しいと思います。テントは購入をしばらく悩んでいたんですが、熊本の地震の際に背中を押されて購入。たとえば体育館に避難せざるを得ないような時に、自立型のテントなら目隠しにもなります。避難時はプライベートをどうやって確保するかが結構な問題になるそうで、そういうときのための安心感もあります。


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ウェスタンマウンテニアリング(WESTERN MOUNTAINEERING)サマーライト


こちらもウルトラライトの方御用達の3シーズン(春、夏、秋)用の寝袋。生地はさらっさらで、とっても簡単にコンパクトに収納できます。ダウンの質感も高く作りが丁寧で、寝るのが楽しくなるほどクオリティが高いです。


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NANGA(ナンガ) [山渓×NANGA] オーロラ900DXオールブラック


こちらは冬の車中泊用。コラボによる寝袋には珍しいブラック。オーロラは防水性のある生地です。かさばるし、重いですが外がどんなに厳しい寒さだろうと、この寝袋の中に潜り込むと、一足はやく春が訪れるので笑ってしまいます。寒くて寝られないような人は家の中でも寝袋で寝るのはありですね。身体の熱を逃さない寝袋は、布団? なにそれ状態であったかくなります。ガチの厳冬用。これさえあればどんな状態になろうとも凍死とは無縁です。



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あとはこういうのも


アドベンチャーメディカルキット


笛や、ダクトテープ、小さなコンパスなど緊急時に使用するもののセット。気休めではありますがコンパクトなのでこれに絆創膏なども入れて保管しています。


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そして、これらのアウトドアグッズのほとんどをこういうスーツケースに入れて保管しています。海外でもリュックでいっちゃうので、スーツケースは出番がほとんどありませんが、タンス代わりに。大事なもの+服も入れているので何かあればこれだけ持って避難すれば良いと。持ち出し袋としてのスーツケース使用です。


[サムソナイト] スーツケース Janik ジャニック スピナー50 42L 機内持込可


機内持ち込み可能なサイズでは最大の容量。こちらのシリーズを使っています。


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現状の反省としては水の備蓄が足りないので、大きめのペットボトルは非常用に用意しようと思います。あとはスマホ用に小さめの太陽光のパネルとかもあってもいいかなと。


 


ぼくはキャンプや登山なんかが趣味のひとつなので充実していますが参考になる部分もあるのではないかと。ミニマリスト以後、増えたもののひとつがアウトドアグッズなのですが、これらはまとめても大した容量にはなりません。普段から使えて、しかも安心感があるのでやっぱり増やしてよかったなと。


 


災害時に出口を塞いだり、落ちて怪我をしてしまうようなモノはできるだけ少なく。そして非常用のものはきちんと持つ。それが最強だと思います。

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Published on September 14, 2018 14:46

ミニマリストの防災用品&アウトドアグッズ まとめ

ミニマリストといえど、災害用品だけは別!


「いつか使うもの」を手放すのはモノを減らす時に考えるべきことですが、災害用品だけは別!


日本で生きていくということは、災害と共に生きていくということ。ぼくたちがこれから生きていく間にもまた大きな地震や災害はあるはずです。何の準備もしていないのは、もうアカン。


 


とは言っても、非常時にしか使えなさそうなものも持ちたくない。ぼくが選んでいる基準は、


・アウドドアで使えるものなど普段から兼用しやすいもの


・ミニマリストらしく軽くコンパクトになるもの。できる限りデザインもいいもの。


というもの。いざとなったら役に立つものをご紹介したいと思います。


 


電源系

現代の防災においては、何よりもスマホの電源の確保が重要。今回の北海道の地震ではネット回線も途切れたようですが、コンパスに照明にと、多用途に使えるスマホはいつでも使えるようにしておきたい。


 


Anker PowerCore 10000 (10000mAh 最小最軽量 大容量 モバイルバッテリー)


普段のお出かけから、旅行まで幅広く使っているのがこちら。手持ちのスマホは2000mAhなので大体4〜5回は充電できます。以前はもっと小さいもの、軽いものにこだわっていましたが、これぐらいの容量たっぷりで少々充電を忘れてもしばらく使えるものに最近は落ち着いています。


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suaoki U10 ジャンプスターター モバイルバッテリー 20000mAh大容量


普段使いはしませんが、さらに大容量のものも持っておくと安心。こちらは車のバッテリーがあがったときジャンプスターターとしても使えるもの。JAFの出動理由の第一位はバッテリーあがりだそうです。他人の車と接続するより簡単だし、もちろん誰かを助けることもできます。大きめのライトもついています。車に乗っている人は1台車載しておくのがよいかと。


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熱源系

電気もガスも止まったときのために、お湯を沸かしたり、料理をしたい。火さえ起こせればあればたいていのことはなんとかなる。ぼくが住んでいる田舎であれば、その辺の薪を燃やせばいいわけですが、都会ならそうもいかないはず。そんなときは、アウトドアグッズの出番です。熱源は複数持っておくと安心。


 


ソト(SOTO) レギュレーターストーブ


薬局でもコンビニでも置いてあるカセットガス(CB缶)は手に入りやすく、1台は持っておきたいもの。普段、鍋用にカセットコンロを使っている人はもちろんそれでOK。持っていない人は、もっとコンパクトになりつつも、安定性もあるというこちらがおすすめ。SOTOのストーブはどれもデザインが良いです。カセットガスもミニマルデザインでおしゃれ。ぼくはキャンプや車中泊用に、車に常備しています。


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ソト(SOTO) マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター


寒冷地などより厳しい環境でも使え、容量もコンパクトなガス(アウトドア缶=OD缶)を使うシリーズ。登山なんかで使う方が多いものですね。ゴトクなどの安定性は上記には及びませんし、ガスもアウトドアショップなどでないと手に入りにくいものですが、より小ささ、軽さを求める環境のときに。


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エバニュー(EVERNEW) チタンマグポット500ストーブセット


カップはこちらを愛用。OD缶1つががすっぽり入るサイズ。薄いチタンでとっても軽い。こちらはアルコールストーブもセットになっていて、登山の時など軽くしたいときはこちらを持っていきます。小枝なんかも燃やして燃料にできるのがワクワクします。外で食べると、カップラーメンですらめちゃくちゃおいしい。


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小堺製薬 ネンコール 500mL


燃料用アルコールはこういうの。アウトドアショップや、ドラッグストアなどで売っています。


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ナルゲン(ナルゲン) 細口角透明ボトル 125ml


アルコールはこういうしっかりしていてなおかつ軽いボトルに小分けにして持っていきます。


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ソト(SOTO) スライドガストーチ


上記で紹介したSOTOのストーブには、着火する機能がついていますが、焚き火をする時などに必要になってくるのがライター。そんなときの定番はこちら。伸びて安全に着火ができます。カセットガスから、燃料の補充ができるのも便利で、普段使いにも重宝します。


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LIGHT MY FIRE(ライトマイファイヤー)ファイアースチールスカウト2.0


濡れようが何しようが、安定して火花を起こせる&気分が盛り上がるのがファイアスターター。そのへんのティッシュにシュッとやれば、すぐに火を起こすことができます。


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照明系

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) リボルト


登山に必須なヘッドランプ。キャンプなんかでも夜作業したり、トイレに行く時に重宝します。懐中電灯と違うのは頭に装着するので、両手が空くということ。だから非常事態にも役に立ちます。USB充電でも、単4電池でも両方使えるこちらはおすすめ。


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PETZL(ペツル) ヘッドライト イーライト


ウルトラライト御用達の、とっても小さく軽いヘッドライトはこちら。小さいのにすごい光量。登山ならサブとして。非常用なら充分使えます。


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スノーピーク(snow peak) ガスランタン リトルランプ ノクターン


キャンプの時なんかに使うランタンはこれ。コンパクト&スリム。ガスはOD缶。デザインが美しいこのノクターンは一時期大人気過ぎて全然買えませんでしたが、今は普通に買えるようになりました。


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[image error]


エムパワード ラックス 暖色インフレータブルLEDソーラーランタン


つけっぱなしにしておくと、大体一晩で消えるので持続性はあまりありませんが、何より太陽光で充電できるのが安心感があります。メインと言うよりちょっとしたときに使い勝手が大変よいです。使わないときは空気を抜いてくしゃっとたためる作り。防水なので、お風呂で使ったりしても楽しいです。


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飲料水系

ブリタ 浄水 ポット 1.1L リクエリ


普段遣いしているカートリッジ式の浄水器。重い2Lのペットボトルを買ってくる必要がなくなるし、ペットボトルのゴミも減ります。カートリッジは2ヶ月持ちます。飲んだら足すで、いつもこれはいっぱいにしておきます。


[image error]


nalgene(ナルゲン) フォールディングカンティーン 1.5L


ナルゲンといえば、プラスティックの硬いボトルが有名ですが、こちらは柔らかく折り畳めて小さくなるタイプの水筒。こちらもウルトラライト御用達。登山やキャンプの水くみなどで大活躍しています。車中泊でもこれいっぱいにブリタで浄水した水を入れていけば、何日も過ごせます。


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SAWYER ソーヤー ミニ 携帯用浄水器


ペットボトルに接続したり、ストローのようにして使えるとってもコンパクトな浄水器。0.1マイクロメートルのファイバーフィルターが、微生物やバクテリアをブロック。普段は使いませんが、災害時に水を汲むようなときも安心。ぼくは何かあれば近所の池の水をこれで吸えばいいと思っています。


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アイリスオーヤマ 防災グッズ ウォータータンク 10リットル


コンパクトにたためるウォータータンク。これも念のためにいつも車載しています。


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食料、備蓄系

ホエイプロテイン 1kg 無添加 ナチュラル


愛用しているプロテインはこちら。クセがないので飽きずに飲めます。普段は牛乳で飲んでいますが、いざとなれば水さえあればプロテインだけでしばらくいけると思っています。乾燥しているので、もちろん長持ち。普段から飲んでいてなくなったら買うので、ローリングストックがしやすいのがプロテインではないかと。


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4種 ミックスナッツ 1kg NEW (生くるみ33% アーモンド38% カシューナッツ18% 生マカダミア11%)


ナッツは健康的で毎日食べたい! でもコンビニや無印さんで小分けのを買うと高い! というわけで1kg入ったこちらを愛用。部屋に置いておくと、ボリボリ食べてしまうので車に置いています。ナッツはハイカロリー&保存性もよいので非常食としてはすごく優れていると思います。こちらの袋は遮光性もあるので保存性も高い。これだけで何日も過ごせると思っています。


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trangia(トランギア) メスティン


あとは、もう基本的には米があれば。ぼくは玄米がいつも置いてあります。火があって米が炊ければ、もうそれでいい。こちらのメスティンはふだんはお弁当箱として使っていますが、米を炊くと美味しいと評判の一品。お弁当箱としてはありえないぐらいかっこいい名前も好きですね。トランギアのメスティン!!


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情報系

SONY FMステレオ/AMポケッタブルラジオ


今回の北海道の地震でも、インターネットは途切れ途切れになってしまったそう。そんな時でも役に立つのはやっぱりラジオ。とってもコンパクト&軽いこちらはおすすめ。チューニングもアナログで質実剛健。使用電力もわずかで長持ち。15年使っても壊れなかったとかで信頼性のあるラジオ。なぜか値上がりしてますね……。


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テント、寝袋

テントや寝袋は、何人で使うか、どうやって持っていくか(車か人力か)、どんな気温のところへ行くか、で幅広い選択肢があります。ここで挙げているような、コンパクトになり軽いテントや寝袋は、はっきり言って高いです! ぼくの場合は登山用にとにかく軽いものを選んでいますが、非常用ならここまででなくてもそれなりのもので充分だと思います。一応参考までに。


 


MSR Freelite 1


ぼくが使っているのはこちら。広さも最小限。しかしそれだけに約1kgという重量でとっても軽い作り。MSRはカラーリングと、テントを張った姿がとっても美しいと思います。テントは購入をしばらく悩んでいたんですが、熊本の地震の際に背中を押されて購入。たとえば体育館に避難せざるを得ないような時に、自立型のテントなら目隠しにもなります。避難時はプライベートをどうやって確保するかが結構な問題になるそうで、そういうときのための安心感もあります。


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ウェスタンマウンテニアリング(WESTERN MOUNTAINEERING)サマーライト


こちらもウルトラライトの方御用達の3シーズン(春、夏、秋)用の寝袋。生地はさらっさらで、とっても簡単にコンパクトに収納できます。ダウンの質感も高く作りが丁寧で、寝るのが楽しくなるほどクオリティが高いです。


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NANGA(ナンガ) [山渓×NANGA] オーロラ900DXオールブラック


こちらは冬の車中泊用。コラボによる寝袋には珍しいブラック。オーロラは防水性のある生地です。かさばるし、重いですが外がどんなに厳しい寒さだろうと、この寝袋の中に潜り込むと、一足はやく春が訪れるので笑ってしまいます。寒くて寝られないような人は家の中でも寝袋で寝るのはありですね。身体の熱を逃さない寝袋は、布団? なにそれ状態であったかくなります。ガチの厳冬用。これさえあればどんな状態になろうとも凍死とは無縁です。



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あとはこういうのも


アドベンチャーメディカルキット


笛や、ダクトテープ、小さなコンパスなど緊急時に使用するもののセット。気休めではありますがコンパクトなのでこれに絆創膏なども入れて保管しています。


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そして、これらのアウトドアグッズのほとんどをこういうスーツケースに入れて保管しています。海外でもリュックでいっちゃうので、スーツケースは出番がほとんどありませんが、タンス代わりに。大事なもの+服も入れているので何かあればこれだけ持って避難すれば良いと。持ち出し袋としてのスーツケース使用です。


[サムソナイト] スーツケース Janik ジャニック スピナー50 42L 機内持込可


機内持ち込み可能なサイズでは最大の容量。こちらのシリーズを使っています。


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現状の反省としては水の備蓄が足りないので、大きめのペットボトルは非常用に用意しようと思います。あとはスマホ用に小さめの太陽光のパネルとかもあってもいいかなと。


 


ぼくはキャンプや登山なんかが趣味のひとつなので充実していますが参考になる部分もあるのではないかと。ミニマリスト以後、増えたもののひとつがアウトドアグッズなのですが、これらはまとめても大した容量にはなりません。普段から使えて、しかも安心感があるのでやっぱり増やしてよかったなと。


 


災害時に出口を塞いだり、落ちて怪我をしてしまうようなモノはできるだけ少なく。そして非常用のものはきちんと持つ。それが最強だと思います。

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Published on September 14, 2018 14:46

September 10, 2018

陰翳礼賛とミニマリズム     沼畑直樹

しっかりと片付き、モノを飾ってない居間から、寝室に向かう。


居間の電気のスイッチをカチッと押し込むと、暗闇と静寂が居間に降り立つ。


シーン。


その暗闇にぼんやりと浮かぶテーブルや壁を眺めていると、なぜかミニマリズムな雰囲気を感じる。


吉祥寺の家ではそういうことがよくあった。


 


南東と南西の壁に大きな窓が並ぶ吉祥寺の居間は、昼間はひたすら明るく、元気な雰囲気を生む家だった。


リノベーションで二つの部屋をひと続きにした長方形の空間なので、影も生まれにくく、部屋全体がいつも明るい。


一方で、引っ越してきた家はマンションではなく一軒家のため、小窓が多く、仕切り(部屋数)もあるので、電気をつけなければ暗い空間がある。


小窓は東西南北にあるため、時間によって光の射し込むかたちが変わり、明るい空間と暗い空間は入れ替わっていく。


南に大きな窓はあるが、雨が多い日にはシャッターで閉め切るため、小窓たちからの光が頼りとなる。


 


ある曇りの日の夕方、北側の洗面室に行くと、暗くなっていたそこに、いくつかの小窓から光が射し込んでいた。


それがほのかに壁を照らす。


ただの白い壁紙で成り立っている壁は不満ではあった。だけども、そうして暗いときに照らされる壁は、妙に美しかった。


それで心にスイッチが入ったのか、暗い空間に入るほのかな光が、どの部屋や廊下でも、美しく佇んでいることに気づく。


電気をつける前のほの暗い部屋に入る光と影。


陰影だ。


 


壁を流行りのグレーやパステルにしたり、絵を飾ったりすることで室内は美しくなっていくだろうし、注文住宅のように複雑な空間構成にすることで満足度が高い家になる。


新しい我が家は、シンプルに最低限な造りのために、装飾も少なく、空間構成の面白みもないので、それだけで満足度の高い空間かというとそうではない。


そのため、もし部屋のあかりをたっぷり取り込んで、明るくしてしまえば、すべてが剥き出しになって、気恥ずかしい。


対策してなのか、緑を多く入れようということになり、緑や花を飾るようになった。


他にも、シンプルな絵ぐらい飾ろうかと考えたりしていた。


 


だが、暗さを受け入れて、陰影を認めるとき、何もない空間がかえって美しく見えた。


夜は吊り下げのライトを使わず、床に置くフロアライトだけにすれば、キャンプの夜、炎をただ見つめるキャンプファイアと同じ。


ただ光が美しく、部屋の簡素な壁紙は気にならなくなる。


 


家を紹介する雑誌ならば、そんな家は対象外だ。暗いときにいい家なんて、紹介しようがない。


光をたっぷり取り込んで撮影し、美しくなければ掲載はできない。


そもそも、光の入らないその眺めは寂しく、ただ寂しい。


その寂しさを美と認めることができなければ、ただ寂しいだけだ。


 


 


 


陰影を認めてから、むやみに電気をつけるのをやめた。


暗さを楽しむ余裕ができて、それを寂しいと感じることはなくなった。


おそらく、今までそれを受け入れられなかったのは、子どものころに陰影が怖かったからだ。


祖父の家は、般若の面が玄関にあり(当時は魔除けとして一般的だった)、緑色に装飾されていた壁や、ほの暗い階段が怖かった。古い日本家屋は暗い木が使われていることもあって、暗いときは本当に暗い。


子どもにはそれが怖い。


 


大人になって、そういう怖さを克服すると、今までみてきた暗さや曇り空に懐かしさを感じたりもする。


たとえばアウシュビッツを描いた『ショア』というドキュメントで、収容所に行く列車の運転手が、戦後に同じ道を辿るシーンがあり、暗いポーランドの田舎道が映し出されるシーンがある。


昔に観た映画なので、そのシーンが曇り空だったのかどうかわからないが、心の中で曇り空のシーンとして残っていて、暗くなった日中の風景を観るときに、ふとその感覚を思い出す。


大人になってヨーロッパに足を運ぶようになって、ほとんどが明るく美しい風景という記憶しかないのに、あのシーンはいつまでも心の中で暗い。


でも、私の中では戦争のころのヨーロッパを感じさせる、懐かしい心象風景となっているのだ。


 


暗い空は、沖縄で出会った明るい空とは対照的だが、それを雨音や静寂とともに、今は受け入れられる。


子どものころは怖かった部屋の中のほの暗さも、大人にとっては芸術的な空間だった。


 


「見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい」


谷崎潤一郎が『陰翳礼賛』の最後に結んだ言葉は、闇のミニマリズム。


暗くなったときに風景はシンプルになり、その幽玄な光と影について、いつまでも眺めていられるのだ。


 


 

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Published on September 10, 2018 21:21

陰翳礼賛とミニマリズム     沼畑直樹

しっかりと片付き、モノを飾ってない居間から、寝室に向かう。


居間の電気のスイッチをカチッと押し込むと、暗闇と静寂が居間に降り立つ。


シーン。


その暗闇にぼんやりと浮かぶテーブルや壁を眺めていると、なぜかミニマリズムな雰囲気を感じる。


吉祥寺の家ではそういうことがよくあった。


 


南東と南西の壁に大きな窓が並ぶ吉祥寺の居間は、昼間はひたすら明るく、元気な雰囲気を生む家だった。


リノベーションで二つの部屋をひと続きにした長方形の空間なので、影も生まれにくく、部屋全体がいつも明るい。


一方で、引っ越してきた家はマンションではなく一軒家のため、小窓が多く、仕切り(部屋数)もあるので、電気をつけなければ暗い空間がある。


小窓は東西南北にあるため、時間によって光の射し込むかたちが変わり、明るい空間と暗い空間は入れ替わっていく。


南に大きな窓はあるが、雨が多い日にはシャッターで閉め切るため、小窓たちからの光が頼りとなる。


 


ある曇りの日の夕方、北側の洗面室に行くと、暗くなっていたそこに、いくつかの小窓から光が射し込んでいた。


それがほのかに壁を照らす。


ただの白い壁紙で成り立っている壁は不満ではあった。だけども、そうして暗いときに照らされる壁は、妙に美しかった。


それで心にスイッチが入ったのか、暗い空間に入るほのかな光が、どの部屋や廊下でも、美しく佇んでいることに気づく。


電気をつける前のほの暗い部屋に入る光と影。


陰影だ。


 


壁を流行りのグレーやパステルにしたり、絵を飾ったりすることで室内は美しくなっていくだろうし、注文住宅のように複雑な空間構成にすることで満足度が高い家になる。


新しい我が家は、シンプルに最低限な造りのために、装飾も少なく、空間構成の面白みもないので、それだけで満足度の高い空間かというとそうではない。


そのため、もし部屋のあかりをたっぷり取り込んで、明るくしてしまえば、すべてが剥き出しになって、気恥ずかしい。


対策してなのか、緑を多く入れようということになり、緑や花を飾るようになった。


他にも、シンプルな絵ぐらい飾ろうかと考えたりしていた。


 


だが、暗さを受け入れて、陰影を認めるとき、何もない空間がかえって美しく見えた。


夜は吊り下げのライトを使わず、床に置くフロアライトだけにすれば、キャンプの夜、炎をただ見つめるキャンプファイアと同じ。


ただ光が美しく、部屋の簡素な壁紙は気にならなくなる。


 


家を紹介する雑誌ならば、そんな家は対象外だ。暗いときにいい家なんて、紹介しようがない。


光をたっぷり取り込んで撮影し、美しくなければ掲載はできない。


そもそも、光の入らないその眺めは寂しく、ただ寂しい。


その寂しさを美と認めることができなければ、ただ寂しいだけだ。


 


 


 


陰影を認めてから、むやみに電気をつけるのをやめた。


暗さを楽しむ余裕ができて、それを寂しいと感じることはなくなった。


おそらく、今までそれを受け入れられなかったのは、子どものころに陰影が怖かったからだ。


祖父の家は、般若の面が玄関にあり(当時は魔除けとして一般的だった)、緑色に装飾されていた壁や、ほの暗い階段が怖かった。古い日本家屋は暗い木が使われていることもあって、暗いときは本当に暗い。


子どもにはそれが怖い。


 


大人になって、そういう怖さを克服すると、今までみてきた暗さや曇り空に懐かしさを感じたりもする。


たとえばアウシュビッツを描いた『ショア』というドキュメントで、収容所に行く列車の運転手が、戦後に同じ道を辿るシーンがあり、暗いポーランドの田舎道が映し出されるシーンがある。


昔に観た映画なので、そのシーンが曇り空だったのかどうかわからないが、心の中で曇り空のシーンとして残っていて、暗くなった日中の風景を観るときに、ふとその感覚を思い出す。


大人になってヨーロッパに足を運ぶようになって、ほとんどが明るく美しい風景という記憶しかないのに、あのシーンはいつまでも心の中で暗い。


でも、私の中では戦争のころのヨーロッパを感じさせる、懐かしい心象風景となっているのだ。


 


暗い空は、沖縄で出会った明るい空とは対照的だが、それを雨音や静寂とともに、今は受け入れられる。


子どものころは怖かった部屋の中のほの暗さも、大人にとっては芸術的な空間だった。


 


「見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい」


谷崎潤一郎が『陰翳礼賛』の最後に結んだ言葉は、闇のミニマリズム。


暗くなったときに風景はシンプルになり、その幽玄な光と影について、いつまでも眺めていられるのだ。


 


 

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Published on September 10, 2018 21:21

August 31, 2018

半径5mからの環境学「電気を使わない暮らしを、稲垣えみ子さんに聞く」

アフロヘアがトレードマークの元朝日新聞記者、稲垣えみ子さん。電気代月100円台という、ほぼ電気を使わない暮らしとそこから生まれた変化をお聞きしました。


初出:「むすび」2018年4月号(正食協会)


今月のゲスト 稲垣えみ子(いながき・えみこ)さん


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稲垣えみ子 いながき・えみこ●1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。原発事故をきっかけに始めた節電生活が話題に。著書に『魂の退社』、『寂しい生活』(東洋経済新報社)『もうレシピ本はいらない』(マガジンハウス)など。


生ゴミ堆肥がきっかけ

 


──稲垣さんが今の暮らしをされ始めたのは原発事故以降ですが、それ以前から環境に対する意識はあったんでしょうか?


いやいや意識は高くもなかったんですが、「生ゴミ堆肥」はつくっていました。きっかけは、ベランダで育てていた花をズボラすぎて枯らしまくっていて、栄養が抜けた真っ白な土がどんどん溜まっていったこと。どこにどう捨てていいかもわからなくて、引っ越しの度に持ち運ぶ羽目に(笑)。


そんなときに雑誌で、生ゴミ堆肥についての記事を読んだんです。栄養が抜けた土と米ぬか、生ゴミを混ぜてしばらくすると固くなった土がふかふかに戻ると。あらそれはいいじゃないかとやり始めたら、すっかりハマってしまいました。


何にハマったって、嫌なものだった生ゴミが役に立つものになるのがえらく心地良かったんですよね。それはきっと、私自身が救われていたからだと思うんです。私自身も役に立たない存在になってしまうかもしれない。でも、世の中には本当はゴミなんかないんだと。ゴミなのか役に立つのか決めているのは、結局人間の都合。そう思ったら随分と生きるのがラクになりました。


冷蔵庫も会社も手放す

 


──そして原発事故があって、電気代を半分にしようと決意されます。


事故の前は、原発反対の運動をしている人たちを見て「現実的じゃない」と思っていたんです。今の便利な暮らしは原発がなきゃ成り立たないだろうと。だから実際に事故が起きた時、さすがにもう原発は止めなきゃいけないと思う一方で、原発止めろというだけじゃ解決しないとも思いました。原発のない暮らしなんて本当にできるのか、まずは自分でやってみようと。当時住んでいた関西電力の半分は原発が担っていたので、私自身の電気代も半分にしようと思ったんです。


──今は何に電気を使われているんでしょうか?


パソコン、携帯、ラジオ。照明です。月々の電気代は170円ぐらい。ちなみに最初はここまでやろうとは全然考えていませんでした。節電を始める前の電気代は2000円ぐらいで、そこから最新の冷蔵庫に変えたりいろいろやって、一旦、電気代は700円ぐらいになったんです。


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冬は日当たりがよく暖かで、夏は風の通りもいいという稲垣さんのマンション。古い建物はエアコンを前提としていない作りで快適だそう。


 


──当初の目標は達成されたわけですよね。


ところが東京に引っ越したら、まさかのオール電化マンションで(笑)基本料金だけで軽く1000円を超えてしまった。それがあまりに悔しくて冷蔵庫も手放し、最後には会社も辞めたという……。


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使用する電気は、パソコンや携帯電話の充電。ラジオに間接照明だけ。洗濯は桶、掃除はほうきを使用というシンプルさ。


「あるから安心」は本当?

 


──稲垣さんにとっては冷蔵庫を手放したことが大きかったんですね。


冷蔵庫の歴史はたかだが50年ぐらいですけど、それが食文化だけでなくて、日本人の感覚を大きく変えたと思うんです。あれを食べたい、いつか食べようという欲を貯めておける装置が冷蔵庫なんですよね。やりたいことはどんどん膨れ上がって、でも実際にそれを実行するかといえばやらない、ということを際限なく増やしていってしまう。


──冷蔵庫は食べる物だけでなく、人の欲望のあり方も変えてしまったと。


恐ろしいのは、それがないと不安になってくることですよね。冷蔵庫がないと言うと「どうやって生きていくんですか?」と必ず聞かれるんですが、50年前にはなくても平気だったものが、今やほとんどの日本人がなくては生きていけないと思っていることがすごいことだなと。「あるから安心」と「ないと不安」はセットだから、あるから安心というのは本当の安心ではないと思うんです。これはなくてもいい、平気だと思えたところからいろいろなものに対する憂いがなくなってきたんです。


食生活は時代劇を参考に

 


──冷蔵庫をやめて、食生活も変えられたんですよね。


もともと料理が好きで、世界中の調味料を揃えて世界の料理をすることが良いこと、豊かなことだと思い込んでいました。でも冷蔵庫を辞めたら江戸時代の食生活に戻るしかなくなって、時代劇を参考にして「めし、しる、つけもの」を基本にした食事に切り替えたんです。そうしたら、美味しいし、なにより簡単だし今日は何を作ろうかと悩むこともない。膨大な時間が生まれたんですよね。


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ベランダには家庭菜園や、干し野菜が並びます。ぬか漬けに加え、粕漬けも始められたそう。昔の知恵を活かした暮らし。


──ないと生まれる変化が必ずあって、それが面白いと思えるかどうかですよね。環境に配慮する暮らしでも、我慢だけだと苦しいものになってしまう。


減らしてみると、実はこっちのほうがよかったということはたくさんありますよね。あると工夫もしないし、自分が退化してしまうこともあります。ないということの中にも実は、宝の山が存在しているんですよね。


 


稲垣えみ子さんよりおすすめの1冊


門田幸代 「新カドタ式 生ごみでカンタン土づくり

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忙しくて捨てられなかったりするとストレスだった生ゴミが、堆肥にすることによってウェルカムなものになって、宝のように思えてきました。今になって考えると、私にとってスタート地点にあたるかもしれません。

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Published on August 31, 2018 14:18

August 28, 2018

西陽もとめて 引っ越し。      沼畑直樹

突然、引っ越しが決まった。


吉祥寺のマンションから、大きな公園に挟まれた町へ。


マンションから一軒家となった。


 


町から町へ移動するということで、駐車場までの少々面倒な道のりや、たくさんの馴染みのある店や風景をリセットした。


 


新しい住まいの近くには、芝生の美しい公園がまわりにいくつものあるので、これからは夕方を公園で過ごせる。


なにより西陽と親しいエリアにある。人の少ない西側のエリアに、大きな空が拡がっているのだ。


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部屋の数が増えたので、当然ミニマル的な部屋が出現したりして、窓際で仕事すると空が随分見えるのだなあと感心したりしている。


朝から芝生でピクニックすることにキャンプの朝とは別の何か凄い感覚を得た。のが数日前。


それからは猛烈なあのゲリラ豪雨に怯えている(マンションの4階は豪雨でもそれほど怖くなかった)。


 


 


怯えているというのは冗談で、川の氾濫や今いるところの段丘について興味を持つようになった。


吉祥寺は武蔵野段丘の真ん中で、氾濫する川もなく、非常に優れた土地だったようだ。


今の場所は、子どもが遊べる川がある分、そこは低いので豪雨になるとたいへんなことになったりする。


なので、雨になると少々心配事が増える。


 


今日も昨日みたいに雨が降りそうで、夕陽もまったく見えそうにないから、窓のシャッターを閉めた。


でも、この家のまわりにあの広大な芝生公園があるぞと、感じられるのは凄い。


街中の家も楽しかった。元気が出た。


この家も変わらない。賑やかな街じゃなくても、こんなふうに暮らせるなんて知らなかった。


 


 

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Published on August 28, 2018 03:29

西陽もとめて 引っ越し。           沼畑直樹

突然、引っ越しが決まった。


吉祥寺のマンションから、大きな公園に挟まれた町へ。


マンションから一軒家となった。


 


町から町へ移動するということで、駐車場までの少々面倒な道のりや、たくさんの馴染みのある店や風景をリセットした。


 


新しい住まいの近くには、芝生の美しい公園がまわりにいくつものあるので、これからは夕方を公園で過ごせる。


なにより西陽と親しいエリアにある。人の少ない西側のエリアに、大きな空が拡がっているのだ。


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部屋の数が増えたので、当然ミニマル的な部屋が出現したりして、窓際で仕事すると空が随分見えるのだなあと感心したりしている。


朝から芝生でピクニックすることにキャンプの朝とは別の何か凄い感覚を得た。のが数日前。


それからは猛烈なあのゲリラ豪雨に怯えている(マンションの4階は豪雨でもそれほど怖くなかった)。


 


 


怯えているというのは冗談で、川の氾濫や今いるところの段丘について興味を持つようになった。


吉祥寺は武蔵野段丘の真ん中で、氾濫する川もなく、非常に優れた土地だったようだ。


今の場所は、子どもが遊べる川がある分、そこは低いので豪雨になるとたいへんなことになったりする。


なので、雨になると少々心配事が増える。


 


今日も昨日みたいに雨が降りそうで、夕陽もまったく見えそうにないから、窓のシャッターを閉めた。


でも、この家のまわりにあの広大な芝生公園があるぞと、感じられるのは凄い。


街中の家も楽しかった。元気が出た。


この家も変わらない。賑やかな街じゃなくても、こんなふうに暮らせるなんて知らなかった。


 


 

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Published on August 28, 2018 03:29

August 21, 2018

たおやかな性愛佐々木典士

肌の触れ合いや、充実したセックスをした後の満たされた気持ち。


 


それは他のものではなかなか代替できないと思う。VRのポルノメディアはこれからさらに進化していくと思うが、同じように再現するのは難しいだろう。


 


その満たされた気持ちは、感じてみて初めて「これが足りなかったんだ」と思うようなものだ。都会にずっといて、広い空、樹木、清らかな水に触れた時に癒やされ「これが足りなかったんだ」と思うのと似ている。ないならないで過ごせてしまうのだが、気づかないうちにモヤモヤは溜まっていたりする。


 


友人が「ガタガタ言うのは三大欲求を満たしてからにしろ」と言っていたが、その通りだと思う。何かしらの不満、言いようのないモヤモヤがあるなら疑ってみるべき条件ではないだろうか。しっかり睡眠が取れていて、適切に食べていて、性も満たされている時に、他人にとやかく言いたい気持ちにはならない。


 


今までセックスは、恋愛中の恋人とするもの、結婚したパートナーとするもの、という考え方が少なくとも社会通念上はメインだったが、もはや考え直さざるを得なくなっているのではないか? 未婚の人は増えているし、結婚してセックスレスになる人が多いし、離婚も増えている。ぼくは未婚でも、結婚していても、シングルマザー、ファザーでもそれぞれの立場で望むならセックスできる環境はあったほうがいいと思うし、性は適切に満たされていた方がよいと思っている。


 


しかし、性愛の問題は難しい。欲求はどれだけ満たしても満足できず膨張してくこともあるし、犯罪や搾取の問題もある。お金やモノへの欲求と同じだ。仏道の修行などは欲求を遠ざける方法だと思うが、ぼくはもう少し自然に適切に欲求を満たせないものかと思っている。ミニマリストが適切に自分の物欲と向き合っているようなものかもしれない。


 


古い考え方は打ち捨て、より開かれたパートナーシップがいいのかと言えば、簡単に言えない気がする。嫉妬の問題もある。しかし、嫉妬されるような価値のあるものだからこそ、得た時に喜びもあるのではないだろうか。嫉妬は価値の源泉であるという気もする。人から望まれない人はどうすればいいのかという問題だってあるだろう。


 


考えるべき問題はたくさんあるが、性愛の問題は、今興味があるテーマだ。どうやってこれからのセックスを確保していくのか。次の本のテーマになるかもしれない。とりあえず言えるのは、もっとたおやかな性愛の形があっていいのではないかということだ。汚くもなく、きれいでもない。しかしより成熟した形があるのではないだろうか。

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Published on August 21, 2018 14:25

August 5, 2018

お金=自由は本当か? 佐々木典士

「ぼく習」はおかげさまで好評で、韓国、台湾への翻訳も決まった。「ぼくモノ」の海外版も順調だ。なのでこれから身に余るお金が入ってくる。だからそれについて考えなければいけない。


 


ぼくの今の家賃は3万円(光熱費や駐車場代込)で、基本的に3食自炊なので食費も2万円ぐらい。あとは+税金関係が基本的な生活費。


 


美味しすぎるごちそうを毎日食べたいとは思わないし、(お酒をやめてからさらに、そういうものから遠のいた)いくらお金があっても粗食の方が健康的だと思っているのでそれを選ぶ。毎日が日曜日で、毎日が娯楽の楽しい日々が、楽しくもなんともないことは「ぼく習」にも書いた通りだ。


 


最近はなんと車が好きになってしまったが、ぼくはどれだけお金があってもミニマリズムの車を選ぶ。小排気量で、2シーターのオープンカーこそ至高だと思っている。購入を検討しているが、そんなに高いものじゃないし、何台も持って脳のメモリも喰いたくない。


 


家を大きくしたいとはもちろん全然思わないし、むしろ御免こうむりたい。素敵なモノにたくさん囲まれるのも嫌だ。


 


経験には、お金はいくらでも使える。旅も好きだし、留学にも行きたい。そういうものにはたくさん使うだろうが、毎日旅したとしたらただの日常になることはいろんな人が口にすることだ。どうしようもなく普通の日常があるからこそ旅も輝く。


 


お金はあって困るもんじゃないんだからとよく言われる。


お金があれば、選択肢が増すのだからたくさんあったほうがいいと言われる。


ドストエフスキーはお金のことを「鋳造された自由」だと言った。


確かにそうだ。


 


 


でも本当にそれだけだろうか?


もちろん、お金がなさすぎる状態はヒリヒリして苦しいものだし、選択肢が狭まれてしまう。


しかし、ありすぎることでも自由が失われることがあるのではないかと思う。


 


 


ぼくはギャラが2万円の原稿を書くのに、参考資料を読み込むこと3日+書くのに2日で5日かけたりすることはよくある。日給にすれば4,000円。時給にすると……?という感じだ。赤字のイベントにもよく登壇する。


 


しかし、それが自分のためになったり、意義を感じたり、何より楽しいと思えればこれからも喜んで引き受けたいと思う。


 


たくさん稼ぐようになると目が曇ることもある。たとえばボランティアのようなことをするときに、高給を稼ぐ人はいらだち「私の時給がいくらか知ってるの?」と言ったりするという。


 


自分のため、意義、楽しいという主観的なセンサーが狂っているので、客観的な金額でしか物事を見れなくなってしまっているということだ。その時、お金があることで自由は失われている。


 


食べるものはこのレベル以上でないと嫌、泊まるホテルにはこういう快適な設備がなくては嫌、そうして行ける場所、体験できることが狭まっていき、自由が失われていくこともあるだろう。


 


投資、場所作り、お金は使おうと思えばいくらでも使えるだろうがピンときていない。「ぼくモノ」の印税で、寄付もこれから一生しなくても怒られないぐらいにはした。おもしろそうな人がいたら、個人的に投資したりするのは楽しいかもと思うんだけど、それもやはりややこしいかもしれない。


 


老後のために取っておく? 確かに懸命だ。


しかしそういう行動もまた「リスクがある行動を取らない」という不自由な人格が生まれることにつながるだろう。


 


 


ぼくが欲しいのはただ、次の本を書くまでの生活費だ。


書くことは基本的にめんどくさいし、苦しい。お金だけで考えると本当に割に合わない。でもぼくは書くことを続けたいと思っている。


 


芸人が大御所になるとおもしろくなくなるのは、ネタを作るという、めんどくさく、苦しいことをしなくなるからではないかと思う。当然コンペ自体には参加しなくなり、審査員の側に回る。一丁上がりとなり、自分が評価される機会が失われれば緊張感もなくなるだろう。


 


本を書くというめんどくさく、苦しいことをするには、お金もあり余っているより、多少差し迫っていたほうがよい場合もあると思う。時間的な制約、締め切りがあったほうが書けるのと同じで、お金も減ってくれば重い腰を上げやすくなる。


 


「ぼくモノ」は会社を辞めて以降の海外版の印税のみ受け取っているが、それでよかったと思っている。お金がたくさんありすぎると、お金を払って楽しめる娯楽はたくさんあるし、苦しい仕事よりもそっちを選びたくなるもだろう。身に余る印税を受け取っていれば「ぼく習」はまだ出版されていなかったかもしれないと思ったりする。


 


お金を払えば提供される楽しい娯楽はたくさんあるが、欲は決して満たされることはない。もちろん物欲もそうだ。満たされない欲にハマってしまうとまた、自由は失われることになる。


 


ぼくが惹かれるのはお金ではなく、いつだって自由だ。


答えが出たわけではないが、自由が最大化されるようにお金と付き合いたいと思う。

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Published on August 05, 2018 15:23

Fumio Sasaki's Blog

Fumio Sasaki
Fumio Sasaki isn't a Goodreads Author (yet), but they do have a blog, so here are some recent posts imported from their feed.
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