冒険小説『チェリー・クラージュの大冒険~レッドプラム皇帝と秘密の扉~』の概要について。

この物語は語り継がれてきたレッドプラム皇帝伝説の調査をしていたトニー・ラザンに代わりチェリー、バニラ、ワイルドストロベリーが未知なる世界へ向けて旅立つ物語です。

この物語の主人公であるチェリー、バニラ、ワイルドストロベリーにとって、トニーは最高の友人であり先生であり尊敬する人でもあります。大好きで尊敬する人の後継者に選ばれた場面からお話が始まります。チェリー達3人は南国の島ブルーアイランドでハラハラドキドキの冒険を通して、きらきらと輝いた生き方をするセーヌアンジュの魅力に引き込まれていきます。更に、人々に明るい笑顔を振りまき献身的に生きる天使のような生き物セーヌアンジュを通じて愛すること愛されることの素晴らしさを実感することで友情を深め成長していきます。チェリー達は冒険の旅の中の短い期間ですがセーヌアンジュを心から大好きになります。いつも4人が一緒にいることが自然だと感じてきます。しかし、大好きなセーヌアンジュとの辛い別れが訪れます。それも二度と会えぬ別れになるのです。そのとき、大人達は子供時代に感じた好きな人との別れの心境や同じ目的に向かって心を一つにすることの楽しさや家族の温かさも感じられると思います。

また、序盤ベートーベンの交響曲第9番『歓喜の歌』の世界を想像する場面や中盤の謎解きの場面で聞こえてくる『シンフォニア・エロイカ』を通じて波乱に満ちたベートーベンの人生と魔王が仕掛けたレットプラム皇帝伝説の真意を見詰める場面が登場します。とくに、バニラが熱弁を振るう場面は注視です。

さあ、みなさん!!是非、あらすじと登場人物のご紹介を読んでヨーロッパを舞台に少年と少女が繰り広げるファンタジックな冒険旅行を通して素晴らしい宝物を発見する空想の旅に出ましょう!!(下地は古代ローマです。登場人物を参照下さい)

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『あらすじ』
☆序章~レッドプラム皇帝伝説~☆

今から200年以上前、レッドプラム皇帝にとって衝撃的な事件が起こる。彼が皇帝時代に進めた戦乱において遠征先のある若い夫婦が犠牲になり亡くなってしまった。しかし、そこから奇跡的にも幼い子供が助け出された。レッドプラム皇帝はこの幼い子供を連れて帰りわが子のように育てた。この幼い子供もレッドプラム皇帝を母親のように慕った。それからしばらくするとレッドプラム皇帝は戦乱の責任を取らされセラム島に幽閉されてしまった。幼い子供も戦乱で受けた傷が原因で内臓疾患を引き起こす。レッドプラム皇帝にとって心の支えでもあった可愛い幼い子が次第に元気をなくしていった。心の安らぎを無くし寂しい日々を過ごすレッドプラム皇帝はこの知らせを受け側近である魔王に『可愛い幼い子供』と『資源豊富な南国の島ブルーアイランド』をなんとしても守るようにと命じた。彼もまた衰弱し往年の面影はすっかり消えていた。最期の力を振り絞り側近である魔王に重要なメッセージを暗号文にして全てを託したのである。魔王はレッドプラム皇帝の強い願いを叶えるため幼い子供を南国の島ブルーアイランドに連れて行った。南国の島ブルーアイランドにある美しいラ・リュミエール・エクレレ宮殿の王座の間で魔王が持つ特別な魔法を使い幼い子供に永遠の命を授けた。だが、永遠の命を授かった代わりに成長することのないパンダのような姿になったことで人間のように言葉を話すことが出来なくなってしまった。魔王は自分の命と引き換えにこの特別な魔法を使ったのだ。彼は『愛する南国の島ブルーアイランド』と『愛しい子』を想いながらわが故郷を200年に渡り封印した。


☆本編~秘密の扉を開け未知なる世界へ~☆

ここはセルボルス国。復元されたパルテノン神殿が聳えるプレジールの丘にチェリー・クラージュとバニラ・シャルムが住む。ある日、チェリーとバニラは大好きなトニー・ラザンからレッドプラム皇帝伝説を受け継ぎ、南国の島ブルーアイランドに重要な法典を届けるという使命を任され心を躍らせていた。彼らふたりはトニーに見送られ豪華列車エクスプレイン・ビクトリー号でボロニアの街へ向かう。

(ここからこの物語が始まる・・・・・・)

ボロニア駅のプラットフォームで2人を迎えたのはゴンドラを漕ぐことが得意な少年ワイルドストロベリー・マランだ。彼も大冒険に参加する資格がある事をビエンヌワーズリー法王から告げられた。これで未知なる世界へ旅立つ若き勇者が3人揃った。次の日、マリンウォッカはチェリー達3人にレッドプラム皇帝伝説を話し出した。だがまだ最後の謎が解明されていない。魔王の魔法によって隠された秘密の扉の場所や開け方が謎だ。マリンウォッカが熱心に説明していると、突如、彼らの前に不可思議な光の大鷲が現れ、残された謎の解明に繋がる魔王の書物のある場所へ道案内される。そこで200年前に書かれた古い書物を見つけ出した。更に、不思議な光の中から金のゴンドラも現れた。チェリーがドキドキしながら古い書物をそっと開くと難解な楽譜が浮かび上がる。何と!!ベートーベンの交響曲第9番第4楽章が書かれていたのだ。この長い楽譜の中に秘密の扉の鍵が隠されているようだ。音楽が得意なバニラは卓越した才能を生かし難しい楽譜の中に埋め込まれた『秘密の扉の鍵』を取り出す事に成功する。さらに秘密の扉の場所もわかった。これで全ての謎が解明出来た。チェリー達3人はトニーから得た知識と妙技を生かしマロニエ宮殿にある水路から金のゴンドラに乗り未知なる世界へ旅立つ。

彼らはベートーベンの交響曲第9番に埋め込まれた8分10秒±5秒の難題や2つ目の扉での困惑や古代ローマの守護神マルスの扉の試練を何とか潜り抜け、念願の南国の島ブルーアイランドに辿り着く。そこはサンゴ礁の海がキラキラと輝き赤や黄色のハイビスカスが咲き誇るメルヘンの国のようなところだった。そして南国の島ブルーアイランドの子供達から楽しい音楽で大歓迎を受け法王ウェルシュオリオンが待つラ・リュミエール・エクレレ宮殿へ。チェリーは法王ウェルシュオリオンにビエンヌワーズリー法王から託された法典を渡すと不思議な光と共に戴冠式の日時がその法典に浮かび上がる。これで3日後、法典の指示のもとに執り行われる戴冠式で国王を選出する事が出来そうだ。使命を全うしたチェリー達はエスペレ川を下りセーヌアンジュの家に向かう。その途中、立ち寄ったアミューゼの丘で法典に記載されていた戴冠式の日時が1日ずれている事を発見する。急いで法王ウェルシュオリオンにこの事を知らせるため手紙を書きセーヌアンジュのお友達大鷲キールに手紙を託した。その後、更にアミューゼの丘に隠されたアミューゼ城が、突如、チェリー達の目の前に煌びやかな輝きを放ちながら一瞬現れたのだ。このアミューゼ城は長い間隠されていたためセーヌアンジュも初めて見る光景に驚いた表情をする。まだ、何か重要な事が隠されているのか?その夜、気になったチェリーはトニーから託された資料を調べ始める。すると、南国の島ブルーアイランドの何処かに隠された重要な秘宝をラ・リュミエール・エクレレ宮殿の王座の間に設置しなければ戴冠式が出来ないと言う記述が浮かび上がった。その秘宝を見つけ出す手がかりは、どうやらアミューゼの丘に隠されたアミューゼ城にあるようだ。翌朝、4人は日の出前に大鷲キールに連れられ豪快なアンフィニの滝の上空を通りアミューゼの丘に向かう。だが、アミューゼ城には簡単に入城が出来ない。入城するにはアミューゼの丘から高速に走る乗り物に乗り弓矢で途中現れる光の輪を撃ち抜かねばならない。セーヌアンジュが高速で走る乗り物を運転し、バニラが弓矢を撃つタイミングを計り、チェリーとワイルドストロベリーが光の輪を撃ち抜く。チャンスは一度だけだ。セーヌアンジュが見事な運転技術を披露し、バニラはバックから薄らと聞こえる音楽でタイミングを取り、チェリーとワイルドストロベリーに弓矢を撃ち抜くタイミングを伝えた。見事な連係プレーで何とかアミューゼ城に入城する事に成功した。4人は光の大鷲の案内により重要な情報がある部屋に案内される。そこで、壁に掛けられている大きな額の中から暗号のような数式が浮かび上がった。チェリーはレイモンド教授から教わった数学の知識を生かし隠された秘宝の場所の解読に成功する。何と秘宝は、エトワル港とセーヌアンジュの家にあるようだ。だが、その秘宝が何であるかはエトワル港に行かなければわからない。ひとまずセーヌアンジュの家に戻り朝食をとる事にした。

チェリー達4人は魔王の指定した時刻にエトワル港へ向かった。そこで長い間、港に隠されていた秘密のグレービングドックを発見した。そこに帆船ラ・ベール・ハニー号が置物のように置かれていた。帆船ラ・ベール・ハニー号は、伝説の帆船だ。この帆船は、レッドプラム皇帝の命が宿る帆船として語り継がれてきた船である。チェリーは、この伝説の帆船ラ・ベール・ハニー号の中から秘宝を発見した。これでセーヌアンジュの家に隠された秘宝もわかった。チェリーは、法王ウェルシュオリオンの許可を受け秘宝をラ・リュミエール・エクレレ宮殿に持って行く。重要な秘宝はチェリー達4人と法王ウェルシュオリオンで王座の間に設置した。だが、何かが足りないようだ。強力な魔力が動き出さない。チェリーは大切に持ち歩いている書物を取り出し、何が足りないのか調べ始めた。その時、不思議な光の大鷲が現れると魔王が書いた文字が浮かび上がった。どうやら強大な魔力を動かすには鍵が必要だ。しかし、この鍵はオクト門に乗る巨大な大鷲の彫刻の中に隠されているようだ。しかも、オクト門にのぼる階段などないのだ!最後の重要な鍵の場所はわかった!明日に迫る戴冠式!日は暮れる!早く鍵を探し出しスイッチを入れなければならない!チェリー、バニラ、ワイルドストロベリーどうする?さて、彼らは魔王から与えられた試練を乗り越え、無事戴冠式を執り行う事が出来るのか?

この秘島に着いた時、チェリー達3人は、南国の島の人気者セーヌアンジュと運命的な出会いをする。この素晴らしい出会いが眠っていた強大な魔力を呼び寄せる原因になるとは彼らは気がつかない。チェリー達は、次々起こる難題を解決する中でセーヌアンジュとの友情を深めていった。この事が実は200年間眠っていた強大な魔力を呼び覚まし、南国の島ブルーアイランドの運命を決定付ける事になるのだ。更に、天使のような生き物セーヌアンジュと充実した楽しいひとときを過ごす事で、この南国の島ブルーアイランドで最も大事な宝物を発見する事になる。

だが、チェリー達に辛い別れが訪れる。さらに、セーヌアンジュにも悲しい運命が待っているのだった。

そして、チェリー達は・・・・

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『名場面‐トロッコ列車に乗り 強大な魔力を秘めたスティックを探し出せ!』
チェリー達4人はパレードで演奏するため手作りの太鼓を夢中で製作し完成させます。そのとき、オクト門に乗る大きな大鷲の彫刻から魔力を含む光が突如放たれ重要な書物が光り出しました。この光は『強大な魔力を呼び寄せ戴冠式を成功に導くため強い魔力を含んだスティックを見つけ出せ!』との魔王からの指令です。そこで秘密の隠し場所へ妖精ラティセーヌが案内します。何と秘密の場所に行くにはトロッコ列車に乗らなければなりません。ここでもセーヌアンジュが輝きを放ちます。トロッコ列車の運転は元気で陽気なセーヌアンジュが行います。薄暗いトンネルの中で魅惑の輝きを放つ鉱石の光を受けセーヌアンジュの手慣れた運転で出発!

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『名場面‐太鼓』
~セーヌアンジュの太鼓演奏~
この物語の中盤で南国の島ブルーアイランドの子供達が盛大な演奏を繰り広げる大パレードが行われます。正に念願の戴冠式を祝福してのパレードです。このパレードの先頭で盛り上げるように元気で見事な演奏をするのが南国の天使セーヌアンジュです。子供達は蒸気機関車セーヌアンジュ号を使い動くお城のような舞台を作り上げます。そして、このトップ台で愉快に楽しくチェリー達3人と共に太鼓演奏をします。その中でチェリー達の必死な捜索のお陰で見つけ出した強大な魔力を呼び寄せる重要なスティックをセーヌアンジュに託し喜び溢れる演奏の中で不思議で巨大な光を振り撒きます。この天の川のような魔力を呼び寄せる光の道がエトワル港の上空からラ・リュミエール・エクレレ宮殿まで伸びます。セーヌアンジュが振り撒いたこの光の道が戴冠式で重要な要素になります。魔王はチェリー達3人とセーヌアンジュが一体になる事で大きな魔力が動き出すように仕掛けたのです。そのため、戴冠式を成功に導くためにはパレードがとても重要になります。

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『名場面‐伝説の帆船ラ・ベール・ハニー号で離島』
チェリー達3人は見事に使命を全うして豪華な伝説の帆船ラ・ベール・ハニー号に乗り帰島するシーンが登場します。何と、この帆船の提督は元気で陽気なセーヌアンジュが任命されます。チェリー達は名残惜しい素敵な世界から別れる辛さと憧れの帆船ラ・ベール・ハニー号に乗り大好きなセーヌアンジュと愉快なロイ・カシューと一緒に旅行が出来る嬉しさの中で帰島への旅が始まります。更に、南国の島ブルーアイランドの船乗りでもある子供達も帆船ラ・ベール・ハニー号に乗り込み固く閉じられたチェリー達の世界へ目指します。ここでもドキドキするような大変な事態が起きます。簡単にチェリー達の世界へ帰る事が出来ません。さあ、提督セーヌアンジュは無事チェリー、バニラ、ワイルドストロベリーを彼らの世界へ送り届ける事が出来るでしょうか?

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『名場面‐あの有名な名曲”♪この素晴らしき世界♪”をバニラが歌う』
いつ聴いても素晴らしいサッチモの歌を事前に聴きましょう!!
名曲サッチモの『この素晴らしき世界』を感動的に歌うバニラ・シャルム!!
(第12章-海に流れついたもの/第22章-戴冠式/第26章-すばらしき南国の島ブルーアイランド・すばらしき友)
この物語ではテーマに沿って感動的に歌う場面にあの名曲が登場します。
サッチモ(ルイ・アームストロング)が表情豊かに歌う場面を事前にチェックしたあとで、かわいいバニラ・シャルム達が歌う『この素晴らしき世界』 をイマジネーションをしながらこの本を読むと感動が一層深まります!

『この素晴らしき世界』はルイ・アームストロングの名曲です。

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『解説‐宝物について』
~セーヌアンジュの宝物~
この物語の後半でセーヌアンジュの心の中に大切に仕舞ってある夢が一杯詰め込まれた宝物をそっと取り出して叶えるため魔王から継承された魔力を法王ウェルシュオリオンが呼び覚ますファンタジックなシーンが登場します。セーヌアンジュの姿は魔王が与えた動物のように見える仮の姿です。これにより今にも消えそうな命を維持することが出来ました。本当の姿は可愛い幼い女の子です。その可愛い幼い女の子が心の中に大切にしまって置いた物は、何と、楽しかったクリスマスイブを楽しむ家族団らんの思い出です。その素敵で大切な宝物のような映像がまるで3次元映像のように映し出されます。映し出された映像は暖炉でぽかぽかと暖めらた部屋の中央に大きなクリスマスツリーが飾られ、テーブルに美味しそうなご馳走が並べられている場面です。とっても幸せそうな優しい父と母の間で元気にクリスマスソングを歌う幼い女の子セーヌアンジュの映像が部屋いっぱいに映し出されます。満面に笑み浮かべて見ていたセーヌアンジュはその宝のような映像の中に飛び込み楽しい親子で団らんのひとときを楽しみます。魔王は南国の島ブルーアイランドの人々に幸せを振り撒いたお礼に最後の願いを叶えてあげます。

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『解説‐可愛い天使セーヌアンジュについて』
この物語にはセーヌアンジュが出てきます。とても可愛い生き物です。また、体が丈夫ではありません。長い距離を歩いたりすることが苦手です。そのため島の人々はセーヌアンジュの為に可愛い蒸気機関車を製作してあげます。更に、南国の島ブルーアイランドの子供達もセーヌアンジュの庭にやって来て花をたくさん植えてあげます。セーヌアンジュもお気に入りの蒸気機関車セーヌアンジュ号から南国の島ブルーアイランドの人達に向けて陽気に「ク・クー!!」と元気に叫びます。このとき、南国の島ブルーアイランドの人々に向けて喜びを感じる甘露のような光のシャワーを振り撒いているのです。この誰にも見えない不思議な光は、セーヌアンジュ自身の体から自然に溢れ出て来る魔法かもしれません。勿論、この不思議な魔法のような光は、セーヌアンジュ自身も気が付いていません。無意識の行動から出て来る不思議なパワーであり能力です。セーヌアンジュと触れ合うと南国の島ブルーアイランドの人達はとても幸せになったように感じウキウキしてきます。まさに小さな南国に住む天使です。また、セーヌアンジュはしゃべることが出来ませんが人の言葉は理解できます。南国の島ブルーアイランドの人々もセーヌアンジュの言いたいことが理解できます。こんな楽しいセーヌアンジュと元気なチェリー達の運命的な出会により充実した楽しい日々を過ごします。セーヌアンジュもチェリー達3人のような素晴らしい子供に出会い、お互いに引き込まれていきます。でも楽しい日々は長く続きません。すぐに別れがやってきます。それも2度と会うことの出来ぬ別れになるのです。さらに、セーヌアンジュには、自分の運命の選択をする場面が訪れます。この物語のヒロインであるセーヌアンジュを通して平和であることの有難さや生きることの素晴らしさを肌で感じられる物語です。

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『生と死の考察‐あなたは最も心安らぐ場所で愛する人に見守られながら最期を迎える事が出来ますか?』
この作品の中では生と死の問題にも触れています。
物語に登場する法王ウェルシュオリオンは魔王から与えられた重要な職務全うして好きな書斎で愛する妻に看取られながら感動的な最期を迎える場面が25章に登場します。
そして最期のメッセージを最期まで愛した妻に伝え人生の終止符を打ちます。

近代的な医学が進んだ現在に生きるあなたは最も心安らぐ場所で愛する人に見守られながら最期を迎える事が出来ますか?

愛と運命の考察『チェリー・クラージュの大冒険~レッドプラム皇帝と秘密の扉~』
☆愛する人が運命を左右する命の選択をしなければならない時、あなたならどちらを薦めますか?☆
この作品の最終章(25章と26章)の中で一番重要で『命のテーマ』を扱っています。

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『運命の選択の考察‐あなたの愛する子供がセーヌアンジュのように命の選択をしなければならない運命の時が訪れた場合どちらを選びますか?』

皇帝により奇跡的に助け出されたセーヌアンジュは戦乱で受けた事故が原因で内臓疾患を引き起こし命の炎が消えそうになります。

皇帝と魔王は可愛いセーヌアンジュを助けるため特別な魔法で永遠の命を幼い彼女に与えます。
セーヌアンジュは『永遠の命は魔王の魔力が維持している期間だけ。魔力が消えるとき仮の体は消滅する』事を承知しているため一日一日を大切に生きるのです。
そんな彼女の生き方が島の人達から共感を呼びいつの間にか天使のような存在となります。

しかし、誰からも愛されたセーヌアンジュにも『南国の島の平和』と引き換えに『命の選択』をしなければならない運命の時が訪れます。

あなたなら『我が子のように愛した愛しきセーヌンジュが運命の選択をする時どちらを選ぶ?』事を推奨しますか?

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『考察‐多くの文学に登場する”♪♪~聖なる森~♪♪”について』
外国の児童文学には必ずと言って良いほど木や森が登場します。そこに描かれている場面から木や森を大切にしている様子がヒシヒシと伝わって来ます。

16世紀~18世紀にかけてヨーロッパでは帆船時代になり多くの木材を必要としました。
代表的な木材は、オーク、エルム、もみ、エゾ松、つがです。
特にイギリスではオークやエルムの植樹に命懸けで取り組んできたと言っても過言ではありません。

この素晴らしいオークを育てる技術が根底にあったこともあり有名な帆船『ビクトリー』(当時の戦艦)を世に送り出すことに成功します。

一隻の帆船を作るのに必要とした木材の数は3500本以上だったようです。多くの木材を必要とする帆船を次々と造り上げなければならないのですから大変です。

時は熾烈極まる海戦時代。重い大砲を100個以上積み強く丈夫な帆船を作るには固く腐食に強い丈夫なオークが必要です。

このオークは最低80年から160年掛けて育て上げます。育てる人も世代を超えて取り組む必要があります。

イギリスは特に寒いですからゆっくりとしたスピードで樹齢を重ねながら大木に育ちます。過酷な環境の中で育ったオークは品質において最高の物となり海戦時代を勝利に導く原動力になったのです。

この固いオークを切る《きこり達》に相当な技量を要求したようです。出来る限り大木に育つまで待つのですが古木(こぼく)にしてはいけません。

深い経験からなる研ぎ澄まされた眼力や嗅覚で育った巨木を感じ取り選別します。

プーンと漂うタンニン酸、きこりをうっとりさせる芳しい香り、微妙な色彩からなる木の色を肌で感じ取ります。

児童文学ではこの部分を柔らかく描写しています。まさに多くの人の命が宿る聖なる森です。先人達が丹精込めて育て上げた森には自然と躍動する命が宿り多くの文豪や芸術家を育てる環境を作ったのでしょう。

朝、小鳥たちの美しいメロディーで目が覚め窓を開けると楽しいファンタジックな場面が愛する森と重なり多くの文士や芸術家を楽しませたのです。

さて『チェリー・クラージュの大冒険~レッドプラム皇帝と秘密の扉~』にもオークやエルムが植樹された森が登場します。この時代背景を参考にしながらこの物語の背景を想像して頂くとより楽しめます。
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Published on May 20, 2013 19:19
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