帆船の設計工程

あなたは帆船の設計工程をご存じでしょうか?

まず、
1.帆船の設計では設計理論に沿って図面の製作を行います。

製作する図面は、
  (A).シアーライン図、
  (B).断面図、
  (C).ウォーターライン図(平面図)、
  (D).ボディプラン図(正面図)などです。

設計が終了すると
2.図面の整合性検査を行います。
  (A)検査はウォーターライン、
  (B)ステーションライン、
  (C)ダイヤゴナルラインの曲線を見て判断します。

この検査が終了するといよいよ次は
3.モデル作りです。専門用語でモックアップ(Mockup)です。
近年では、お金と時間と労力が掛かるため3次元デジタルモックアップを行います。
現代ではコンピューターで製作した図面から3次元モデルを作り(モデリング)、組み立てる(アセンブリ)工程です。
完成図面を腕のある造船所に持ち込み正確な縮尺サイズの帆船モデルを製作します。これをモックアップと呼び製品判定を行うための重要な模型作りになります。

4.実験と検証作業。
この模型を使い水槽試験から様々なデータを取り比較も行います。

これで基本となる設計工程は終了です。

次はいよいよ最終工程です。
5.承認作業。
帆船モデルを海軍事務局へ持ち込み海軍本部で承認と同意を受けます。

この大変な工程を通過して初めて本物の帆船の建造が開始されます。

☆車のボディ設計
車のボディ設計は船の設計が原型になっているようです。用語も『船の用語』がチラホラ出てきます。風の抵抗を受けるのか?または、水の抵抗を受けるのか?は異なりますが抵抗を前から吹き流して後ろに逃がすことは一緒です。

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お魚の泳ぎを理想とし論理設計を図化(設計図)した人達

16世紀の終わりごろから急速に帆船の設計に力を注ぎこみます。設計の発達に伴い多くの数学理論が取り入れられてきました。注目は『船の曲線』と呼ばれたコンパスが描きだす円弧です。この曲線学が今日の自動車を設計するときに使われる「B‐スプライン曲線」および「曲面」へと発展していきます。

☆設計では円、円弧を巧みに使う技術を身につける事が重要です。
陸上で使用する400mトラックの円弧と直線の繋ぎ目は折れていると考えます。
しかし、『B‐スプライン曲線』で繋げば極限まで滑らかになります。

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「B‐スプライン曲線」の考案までの道のりについて

1960年、米国航空機メーカーボーイング社のJ.C.Fergusonはベクトルをパラメーター化して記述する曲線を考案。
1964年、マサチューセッツ工科大学のS.A.Coonsは4つの境界線を交え四隅をベクトル化した曲面を考案。
これは、風呂敷をイメージする良いかも知れません。漫画で風呂敷を使いパラシュートにするシーンを思い出して下さい。風呂敷の四隅にパチンコ玉と考えて下さい。このパチンコ玉が3次元点(x、y、Z)です。このパチンコ玉を結ぶ風呂敷の四隅をベクトル化した曲線と考えれば良いでしょう。

その後、フランスのルノー社の P.Bezierはポリゴンを使った曲線を考案。
この曲線は自動車のボディーを開発する『UNISURF System』で使われました。
W.J.GordonとR.F.Riesenfeldは基底スプラインを用いた『B-Spline曲線と曲面』を考案。
今日の3次元CADを支えています。
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Published on May 20, 2013 06:23
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