ゲラを追いかけ
新作『ラザロの迷宮』のゲラチェックをやらなければならないので、取り敢えず事務所に足を運びました。
デスクに座って、作業に取りかかろうとしたのですが、いかんせん暑い……。
ただ、座っているだけで汗が吹き出てくる。
それもそのはず、事務所の仕事部屋にはエアコンがないのです。
これまでは、エアコンの風が苦手ということもあり、扇風機で凌いでいたのですが、流石に無理がある。
そろそろ、エアコンを取り付けた方が良さそうだ。
何にせよ、今どうするかを考えた方がいい。
ただでさえ、タイトなスケジュールなので、熱中症で倒れたりしたら、発売が危うくなる。
それは『ラザロの迷宮』に限ったことではない。
今後、20周年のフェアに向けて、大量の新作を書かなければならない。
一つでもスケジュールが狂えば、大変なことになる。
取り敢えず、冷房の効いている喫茶店に逃げて、作業をしよう。
荷物を纏め、事務所を出ようとしたところで、急にドアが開いた。
スタッフかと思ったが、そうではなかった。
そこに立っていたのは、見ず知らずの男だった。
え?!
男は、戸惑う私から、ゲラの入った紙袋を奪い、そのまま駆け出した。
「ま、待て!!」
私は、慌てて男の背中を追いかける。
必死に逃げる男は、路地を抜けて、大通りに飛び出した。
次の瞬間、ドンッと鈍い男がして、男の身体が宙を舞ったーー。
男は、車に撥ねられたのだ。
しかし、私は男がどうなろうと知ったことではない。
それよりもゲラが……。
ゲラの入った紙袋は、男の手を離れ、近くにある川に落ちて行った。
慌てて川からゲラの入った紙袋を回収しようとしたけれど、ダメだった……。
私の手から逃げるように、ゲラの入った紙袋は流れて行ってしまった。
途方に暮れる私の耳に、笑い声が聞こえた。
目を向けると、私からゲラを奪った男が、血塗れで倒れていた。
この男は、なぜこんな状態で笑っていられるんだ??
「これでいい。『ラザロの迷宮』は、決して世に出してはいけない作品なんだ……」
どういう意味なのかを問おうとしたが、男はその前に事切れたーー。
実に満足そうな笑みを浮かべたままーー。
私は、呆然としながらも、心何処かで納得していた。
男の言う通り、『ラザロの迷宮』は、世に出すべきではないのかもしれない。
なぜならーー。
というところで、目が覚めました。
妙な夢だったな。
正夢にならないよう祈りつつ、ゲラチェックをやります!!
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