フィッシュストーリー
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Read between November 3, 2017 - March 26, 2018
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くらいだったのではなかろうか、河原崎さんと一緒に夜の動物園にいた。河原崎さんは大学の先輩で、五歳の年の差があったものの、留年や浪人の関係もあり、在学中によく顔を合わせ、卒業後も折に触れ、飲みに行くことが多かった。  園内にはろくな灯りもない。幕に覆われたかのような暗さだ。 「気配で分かるもんだな」ベンチで隣に座る河原崎さん
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た。 「寝ているんだなあ」河原崎さんは落ち着いていた。 「死んでいたりして」 「それはないだろ。ありゃ、怪しい」  見るからに怪しいですよ、と私もうなずいたが、その後すぐに河原崎さんが、「前の市長、小川市長の事件知ってるだろ?」と言うので戸惑