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著者は、パンク歌手であり詩人であり俳優であるという異色作家。『夫婦茶碗』 『へらへらぼっちゃん』など、独特のビート感あふれる作品を意欲的に発表し、個性派作家として注目を浴びている。若い世代を中心に「ストリート系」、「J文学」などともてはやされる一方で、ナンセンスなストーリー展開やメッセージ性の希薄さなどから「キワモノ」であるという冷ややかな評価も受けていた。ところが、一見、一貫性を欠いているようにも思われる言葉の連射の間隙に、透明感を与えることに成功した本作で芥川賞を受賞したことで評価は一変し、純文学の新たな地平を開く作家としての栄誉を得た。好悪の分かれる作家ではあるが、繰り出される言葉のリズムに身をまかせて一種のカタルシスを得ることができるか、違和感を抱くか、それは作品に触れて確かめてほしい。(梅村千恵)
224 pages, Paperback
First published July 7, 2000