Erika2,856 reviews89 followersFollowFollowJanuary 31, 2023☆3.5。「ホラーで胸キュンオカルトミステリ」というbook blurbがピッタリな内容。主人公達が幽霊に出会って、ミステリアスな霊能力者に出会って、次々新しい事件を解決…という、ありがちなパターンでなく、霊の見えない主人公が霊を見たくて色々頑張る、という切り口が面白かった。それと、霊現象を数学的に説明してるパートが凄く興味深かった。・例えば題名の「正三角形は存在しない」。正三角形と霊を同じように扱って説明している:「数学上の定義では線分には面積がなく、点には長さは無い。等しい長さの3本の線分と、3つの点で構成される図形が正三角形だが、人間の鉛筆ではそんなものは描けない。どんなに細い線を引いたって、そこには微細な幅が生じてしまう、つまり人間の技術では正三角形は図示もできないし、存在していても認識できない。けれど、僕たちは正三角形の存在を知っているし、存在を前提にしてあらゆるデザインが生み出され、学問も進歩していく。正三角形は世界に存在せず、人間の脳内にだけ存在する。正三角形だけでなく、直角二等辺三角形も、平行四辺形も、円も、球も、全てがそうだ。…現実と理論は乖離している。僕たちの脳は現実を認識しているが、性格には、現実と重なり合う、別の世界を見ているに過ぎない。それが僕たちだ。霊もまた、正三角形と同じ。」・また、私が常々思っていた、「何故人間の霊だけなのか。犬や猫の霊は?」に対しては:虫の霊や大豆の霊、キノコやカビの霊が存在しても「いない」もしくは人間に「見えない」のは、人間と波長が合わないから。だから、縄文時代の人間の霊も「いない」し、外国人の霊もあまりいない。・「霊が見える人と見えない人の違い」の説明は:絵の上手い人は、3次元の情報を2次元に見ることができる。その方法を口で説明することはできない。それと同じで、霊が見える人はある意味4次元で見えていて、それを3次元の感覚で説明する事は、そもそも4次元的感覚を持ってる相手に説明するのでなければ難しい。→こういう「数学的」説明、すっきりして好き。が、最後の最後のどんでん返しは、物語の終わりにふさわしいどんでん返しで、だからこそ予想のできるものだった。主人公の様子が途中から(物語的には 初めから)急に霊に興味を持ち始めた、という展開から、霊に憑かれていたのは誰か想像がつくまた、「胸キュン」パートに関しては、少女漫画のような軽い甘さ。上記のどんでん返しのせいで、男主人公が困惑して、恋愛状況的にはうやむやに終わってるのも、納得の感じ。お祖母さんが憑依した後の女主人公と親しくなったから、自分が好意を持ったのが相手のどの部分なのかちゃんと考えたいというのは、好感が持てる。こういう物語は最後大抵くっついてるけど、私は毎回「それでいいのか」と突っ込むタイプだったから内容は軽いけれど、変にありきたりで予定調和な感じでもないし、アニメとかにしたら良い感じに新しいんじゃないだろうか、と思う。が、まぁ、もう一回読みたいかと言われると、そこまでのどんでん返しでも、そこまで登場人物達が魅力的なわけでもなかったので、ギリ4にとどかない、☆3.5。mystery