Jump to ratings and reviews
Rate this book

コンタミ 科学汚染

Rate this book
【注意】この本には、「信じたくない」真実が含まれています。東京大学大学院出身の著者が放つ、私たちの身近に蔓延る「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンス! あなたは真実を知る覚悟はありますか?「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。大学院生の圭は、新進気鋭の生物学者・宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪ねる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者の美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか? 圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが……。 すべての真相が明らかになったとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける――。新田次郎文学賞受賞作『月まで三キロ』の著者が放つ、われわれの身近に蔓延する「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンスミステリー。

Paperback Bunko

About the author

伊与原 新

19 books1 follower

Ratings & Reviews

What do you think?
Rate this book

Friends & Following

Create a free account to discover what your friends think of this book!

Community Reviews

5 stars
0 (0%)
4 stars
0 (0%)
3 stars
1 (100%)
2 stars
0 (0%)
1 star
0 (0%)
Displaying 1 of 1 review
Profile Image for Erika.
2,840 reviews90 followers
June 14, 2024
図書館で見かけて、気になったので借りてみた。
この作品の前に、同じ作者の「フクロウ准教授のシエスタ」も読んだので、2作続けて大学の研究室内の様子が描かれていて、これがこの作者の十八番なのかな、と思った。

作品としては、結構興味深い内容。
世の中にあふれるニセ科学の事を、VEDYという架空の団体を描く事で浮き彫りにしている。
そのニセ科学がいかに危ういものであるかは、 「ニセ科学への道は善意で舗装されている」 というセリフによくあらわされていると思う。
(3.11以降の福島で暗躍しているクリストファー・バズビーという人の事は初めて知った。)
私も、幼馴染がパワーストーン好きだし、高校の友人(理科大出身だし色んな意味で根っからの理系)が占いを心から信じていたりするのを間近で見ているので、思うところはたくさんあって、考えさせられた。
題名の「コンタミ」も、ニセ科学がいかに科学の世界を「汚染」しているか、という事を的確に題名に表してる事がわかって面白い。
ニセ科学って、もはや宗教と同じ匂いを感じるけれど、宗教と違って科学的根拠がありそうにふるまってるのがたちが悪い。その事を、この作品でも述べていて、やっぱそうだよね、と共感:
「神社のお守りを例に出そう。効果はありますかと神主に問えば、「このお守りには、霊験あらたかなお札が収められています。一生懸命祈り、願えば、神様は聞き届けてくださるでしょう」位の事は言うかもしれない。非科学的でも、これは信仰の問題だ。詐欺だと騒ぐ人はいないだろう。だが、もし神主が「このお守りには、念波エネルギーを増幅させる光量子波動アンプリファイアが内蔵されています。一生懸命祈り願えば、神様が聞き届けてくださるでしょう」などと言い出せば、それは一気に科学へと変貌する。
たかがお守りじゃないか。どう説明されようが、大した違いは無い。要は信じるか信じないかの問題だ。ーーそう考える人もいるだろう。気持ちとしてはわからなくもない。だが、その一方で、絶対に許してはならない疑似科学は確かにある。」
「病に苦しむ人々。被災者。子供たち。そうした人々の弱い立場につけ込んで、食い物にしようとする疑似科学だ。」
「どれだけ教育を受けようとも、ほとんどの人間は、自分が見たいものしか見ず、信じたいことしか信じないだろう。そうでもしなければ、この世はあまりに生きづらい。でも、その傍で、科学はただ淡々と、万人に同じものを見せ続ける。」
「疑問や不安を感じた時、そちらに目をやりさえすれば、誰でもそれを確かめることができる。しかもそれは「1 +1 = 2」が納得できる人であれば、原理的には誰にでも理解できる言葉で書かれているのだ。」
「科学は、この世のすべての人間に等しく同じものを見せる」

ただ、どうしても引っかかったのが「科学的であることを良しとし、非科学的なものをバカにしてきたのは、それが理系の人間として当たり前と思っていたからだ。」というところ。
........理系だからじゃなくて、思考能力がある人間なら非科学的なものには懐疑的にならないか???
「理系」という単語に過敏に反応しすぎなんだろうけど。
むしろ、理科的考え方が必要なのではなく、「批判的精神で客観的にものを見る姿勢」が大事なんじゃないかなと。
(上にも書いたように、「理系」の友人でもかなりアレだし)

情報として興味深いし、色々考えさせられるけれど、物語として面白いかと言われると、そうでもないのが残念。
主要登場人物である宇賀神は鼻持ちならないし(いわゆる「ホームズ」タイプ...けれど本家ホームズは色々可愛い側面もあるから、悪いステレオタイプしか模倣してない)、物語を進めるうえでの原動力となってる「研究者桜井は何故ニセ科学を広めている怪しい団体の幹部となったのか」も、特に面白いひねりも驚きもない結末。
結構なページ数がある割に、物語としての中身はあまりない。

が、何度もいうように、ニセ科学業界と、それを有難がる人々/付け込まれる人々に関する描写は興味深かったので、星3つ。
(内容には関係ないが、出てきた地名が「スタンフォード」(近所)、「サンフランシスコ」(うちから車で1時間弱で行ける。280/101が混んでなければ)、「エジンバラ」(エジンバラ大に通ってたし、去年久々にエジンバラ行ってきた)、という私に馴染みの場所ばかりだったので、ちょっと嬉しい。ただ、これらの場所は登場人物たちがメインの物語に登場しない間に行ってた場所なので、物語には町の描写も何も出てこないのが残念だけど。まぁ物語に関係ないからな。)
Displaying 1 of 1 review

Can't find what you're looking for?

Get help and learn more about the design.