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わかれ

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愛した人は皆、この世を去った。それでも私はまだ、書いて、生きる――。終世作家の粋を極めた、九編の名品集。親しい友人も愛した男も、皆この世を去った。それでも私は書き続け、この命を生き存(ながら)えている――。吉行淳之介との不思議な縁。幼い自分を容赦なく叱った職人の父との思い出。色恋に疲れた男と老女とのささやかな交情。流麗に達し合うことができる、女性同士の性と愛。円熟の筆が、「私」と艶やかな共犯関係を結ばせるように、読者を物語へと誘い込む。終世作家の粋を極めた、全九編の名品集。【目次】山姥約束道具紹興面会道づれ百合圏外わかれ解説:田中慎弥※電子書籍版には解説は収録しておりません。本書収録「わかれ」より死んだ肉親も愛した男たちも、みんなあたたかな手ざわりで私の背に触れる。ことばは発しないのに、手の感触だけで彼等がひとしく私を全面的に赦しているのがわかる。赦されることなどしていないと反撥しようとして、独り寝の床の中で私は反抗的に叫ぼうと身をもがく時、生きている誰にも隠しつづけている秘密のあれこれを一挙に思いだす。生きるということは罪の蓄積だよ。自分ひとりが幸福になる時は必ず誰かがその分量だけの不幸を引き受けてくれている。死んだ誰の声でもない何かの声が、私の夢にしのびこんでくる。……瀬戸内寂聴1922(大正11)年5月15日徳島生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞受賞。1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。1998年に『源氏物語』(全10巻)の現代語訳を完訳。2006年文化勲章を受章。著書に『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『比叡』『手毬』『いよよ華やぐ』『釈迦』『秘花』『奇縁まんだら』『月の輪草子』『わかれ』『老いも病も受け入れよう』『求愛』『いのち』など多数。

Tankobon Hardcover

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瀬戸内寂聴

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