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氷柱の声

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語れないと思っていたこと。
言葉にできなかったこと。

東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。
それからの10年の時間をたどり、人びとの経験や思いを語る声を紡いでいく、著者初めての小説。

第165回芥川賞候補作。

130 pages, Hardcover

Published July 9, 2021

8 people want to read

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Rein Kudo

2 books

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Profile Image for Erika.
2,858 reviews88 followers
August 12, 2025
「くどうれいん」という著者の名前に見覚えがあったので、図書館の「新書」コーナーで見つけて借りてみた。

3.11を色々な人々の視点から描く、優しい物語。が、変に「感動ポルノ」にしようとせず、だからといって反対に「絶望ポルノ」でもなく、どちらかというと、こんなに悲惨な大きな出来事があっても、生き残った人々は日常に戻っていく、という話なのかも。
また、外部の人間が憐れんでくる、だとか、「感動の物語を予め準備してる」とか、どうあっても「悲惨な人生を頑張って生き抜いた人」となってしまう、という葛藤も、ふんわりとだが少ない言葉でしっかり描かれていて、良かった。
サバイバーズギルトは、登場人物達の感情の中で一番わかりやすい感情だった:なぜなら、私の周囲でもその感情を強く感じている人々が多かったから...が、アメリカにいた私としては、「自分も親戚も東北にいない、アメリカに住む日本人が、ショック過ぎて食事も喉を通らない、とか、他人の悲劇に自分を投影して酔ってるだけでは」と気持ち悪く感じてしまった...冷たいのかもしれない。けれど、人の不幸を自分の物語として取り込むその精神に怒りを感じてしまう。)

が、私がこれを読んでいてずーっと頭の後ろで考えていたのは、「同じような状況を人為的に作り出す、戦争というものは絶対に回避しないと」というもの。ガザでの虐殺や、WW2の原爆投下や南京大虐殺、そういったものも、同じような、もしくはそれ以上のダメージを人々に与えたんだよな。

それと、コロナ禍の時もそうだが、こういう大きな出来事は、芸術作品を作り出す人々にも大きな影響を与える。「負」の出来事を芸術に昇華できる、というと綺麗ごとに聞こえてしまうかもしれないけれど、それでも、思いを形にできる芸術家たちがうらやましい。
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