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Peeping Elegy

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##### 「今日は毛を全部剃ってやろう」 「ダメです。部活の後でシャワーを浴びられなくなる」 「いいじゃねえか。パイパンの股座を柔道部の仲間に見せてやれよ」  のぞきの悦楽を知ったあの夜から、佑介は昼となく夜となく隣室の様子を窺うようになった。男が在宅している気配を感じた時は、あの青年が一緒にいるのではないかと期待しながら、速攻で壁に耳を押し付けて物音を探った。用事もないのにベランダへ出ては、ビルの裏壁しかない景色を眺めるふりをして、仕切り板へ忍び足で身を寄せたりもした。桜が散り、ツツジが咲き、初夏の風が梅雨の曇天に変わった三ヶ月間に、そうやって佑介は何度も興奮し、同じくらい失望もした。 「ケツ穴の周りも剃るぞ」 「勘弁してください」  ベランダの窓の隙間は、最初の夜はわずか三十センチくらいだったけれど、気温が上がるにつれて徐々に拡がり、今では全開のまま放置されていることが多くなった。カーテンも引かれることはないので、室内の様子を隠すものは何もない。無頓着なのか、それともわざと見せびらかしているのかわからないけれど、その開け放たれた窓から幾度となくのぞいているうちに、佑介はふた

60 pages, Kindle Edition

Published August 9, 2017

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