Yasuo Itoh208 reviews10 followersFollowFollowNovember 29, 2016深夜ラジオのリスナーでありコンビニのアルバイターでもある主人公の富山(とみやま)。コンビニで深夜ラジオをきっかけに富山出会う女子高生の佐古田。簡単に言ってしまえば、この二人のボーイミーツガールの物語なのだろうけど、そんな単純なものではない。恋愛ではない仲間意識の熟成がメインだ。深夜ラジオは仲間意識の共有に大きな貢献をする。過去に深夜ラジオを聞いていた人なら、あの感覚を理解できるだろう。深夜ラジオは強烈に自分に語りかけてくる、あの時間の共有が気持ちいい。自分は一人で聞いて一人で楽しんでいた。パーソナリティーのお姉さん(聞いていた当時は、自分にとって女子大生は年上のお姉さんという感覚だった)が、自分だけに語りかけ、自分だけに音楽を流しているような聞き方だった。本書を読んで、仲間と聞くラジオをやってなかったことに後悔する。それに、深夜ラジオのリスナーであれば、生活の中心が夜になることは仕方がない。夜に友達と何でもないことを話して笑い合う楽しさは、この時期の人の特権だと思う。遠い過去となった当時の自分を思い出しても、あの時期は楽しかったねと言える。今は、夜も明るい。深夜ラジオと同様に根暗な明るさが楽しかった。なんと爽やかなことだ。