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白い巨塔

白い巨塔(二): (新潮文庫)

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他大学の教授の移入を画策した東貞蔵に対抗し、医局内の根回しによる多数派の篭絡で教授戦に勝利した財前五郎。

晴れて教授となった財前は、同僚の第一内科助教授・里美脩二から胃癌患者を紹介される。
患者の早期噴門癌を発見し、手術を無事に終えた財前だったがドイツでの国際学会に出席する最中、その患者は呼吸困難を発症する。

社会派小説の巧者・山崎豊子が医学界の腐敗を描くベストセラー作品第二巻

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First published November 15, 1980

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山崎 豊子

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Profile Image for Konatsu.
115 reviews12 followers
May 9, 2020
2巻:教授選の最終決戦、学内工作〜財前の教授就任〜佐々木庸平、ドイツの国際外科学会出席
2巻以降は読んだことがなくて、2003年ドラマ版との相違点に度々驚かされながらグイグイ読み進めた。今回は特に里見と佐枝子との関係に一番びっくりした。ドラマの方では佐枝子の片思いで、しかも恋というよりは人として尊敬しているという気持ちの方が強く描写されているような気がしたけれど、診察の時に大胆にも上半身裸になるし、里見とお散歩行きまくるし、最後には里見の口を手で封じ、なかなか大胆な佐枝子に終始「そんなことしとったんかい!」と突っ込んでいた。里見も里見で、佐枝子の、三千代にはない芯の強さや聡明さ、自分のと似た信念を貫く彼女に、佐枝子ほどその想いはわかりやすく書かれていないけど、少しずつ惹かれていっているのが分かってちょっと戸惑った。教授就任後の財前のやりすぎなくらいの変貌ぶりにもまあまあびっくりして、「噴門癌の微妙な陰影の読影は、(中略)一種の芸術なんだよ」などポエミィな発言を投下したり(笑)、里見に話すたびに嫌味を含めたり、過剰なほどに上下関係に準じた対応を披露したりと、もはや茶番のようなシーンだらけだった。1巻の方で東が言っていたように、この世の多くは「残酷な、そして滑稽な人間喜劇」なんだと、財前だけでなく、鵜飼派と東派の最終投票に向けての様々な工作を見ていて思った。財前がどうしてああなったかというのはもちろんもっと根深い原因があるんだろうけれど、考えてみれば、そもそも財前が教授選を通してねじ曲がっていき、こんなにも複雑で歪んだ世界に身を任せ、さらなる深みに入っていくようになってしまったのも、東のプライドと嫉妬心という本当に些細なことからはじまっていた。東も財前と同じように、自分の力の及ばないもっと大きな勢い(例えば運命、生まれてきた家系)による産物だとすれば元も子もないし、その他の人物も例外ではなくなるのだけれど。ただここでわからなくなるのが里見と佐枝子。例えば財前も里見や佐枝子のような人生を辿ってきたら、二人のようになっていたのだろうか。これは多分全巻読み終えないとわからないことだけれど、里見はどの程度、この周囲の巻き起こす混乱の渦に巻き込まれているのだろうか。
今回柳原も出てきて、改めてこの作品の象徴的な人間関係のつくりに感心した。佐々木庸平のことで困っている柳原は、苦学生で、財前という脅威を恐れひれ伏しながらも、どこかでやはり何か間違っているんじゃないかと、他の医局員とは違って財前に発言していて、それはまるでかつての財前のようであり、また財前と里見という完全に相反する二人の混ざったような人物にも思える。財前と里見が多分"two sides of the same coin"であるから余計に、二人が枝分かれする前の状態であるという点からも柳原は面白いキャラクターだと思う。父親的存在ということをとっても、1巻の方で財前が言っていたように、東も又一もそれぞれ違う要素を纏った財前の「父親」であり、父親殺しという普遍的なテーマを扱っていてこの小説は本当に興味深い。
それにしても思っていたよりもスラスラ読める。山崎豊子さんの他の作品にも手を出してみようかな。
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