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絶対読むべき日本の名作 蟹工船

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虐げられる労働者たちの闘争を描くプロレタリア文学の代表作船でもなく、工場でもない――「蟹工船」。戦前、オホーツク海上で行われた「たらば蟹」の加工設備を備えた漁船。そこは、航海法や工場法に適用されず、さらには労働法規もない。まさに海上に浮かぶ過酷な労働の場だった。劣悪な環境の中、監督による暴力・虐待、過労や病気で次々と倒れてしまう。労働者はやがて権利意識に目覚めてゆく――。本作は、小林多喜二によって描かれた小説であり、プロレタリア文学の代表作のひとつです。また、国際的な評価も非常に高く、複数の言語に翻訳されている作品です。

114 pages, Kindle Edition

Published December 10, 2013

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9 reviews
January 23, 2021
小林多喜二によるプロレタリア文学の代表作。舞台は1920年代の蟹工船。蟹工船はオホーツク海のカムチャッカ海域で蟹漁業及び加工に使用された大型船。東北地方から集めた雑多な貧困層を、季節労働者として動員していた。蟹工船は工船で航船ではないため、航海法が適用されなかった。船自体も日露戦争で老朽化されたオンボロ船が使用されたという。また、当時ソ連に近い北洋海域での漁業振興は国策であったため、労働法適用も軽視された。労働者達は非人道的で劣悪な労働環境のなか、過労と病、そして暴力に倒れていった。
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語り口は静かだが、力強い。労働者達が自己の人権の重みと、仲間と団結し立ち上がれば打ち勝てることを知る。おかしいと思っていたことに対して、はじめて行動を起こす。一度は失敗しても反省を活かし、もう一度立ち上がる。発表当時は禁書扱いも直面したらしい本作。資本主義と国家批判やプロレタリア運動といった直接示唆する領域を超えて、多くの読者に勇気と希望を与えてきたことだろう。登場人物の雑夫や漁夫達には、過酷労働や暴力で死亡した宮口と山田以外に名前が与えられていない。労働者達という「群衆」を主人公とする一方、労働者達は名前を持たぬ、持たされぬ存在だったことの象徴だと感じた。
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労働者達が現状に立ち向かうことを決心し、団結して立ち上がるまでの過程は、現代の組織論やリーダーシップ論に通ずるとも感じた。労働者達からは「学生あがり」や「吃り」がリーダーとなり、群衆に対してビジョンを語りかける。
『まず第一に、俺達は力を合わせることだ。俺達は何があろうと、仲間を裏切らないことだ。』『第二にも力を合わせることだ。』
様々な地域から異なる過去を持ち集まった、年齢も様々な雑夫、漁夫、水夫、火夫達はこのリーダーの言葉に心動かされ、団結の重要性を知る。万人に理解される言葉で声高くメッセージを届けることで、団結した組織が生まれた。
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『蟹工船』は作者没後75年の2008年にメディアに取り上げられて再脚光を浴びたらしい。現代でも広く読み継がれる理由がよく分かる。
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