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陣内 秀信 quotes (showing 1-2 of 2)

“魅力的な都市をたくさんもつ南イタリアも、その歴史を振り返るならば、外国勢力による支配と搾取の繰り返しだった。大土地所有が続き、支配階級に富が集まる一方、民衆の暮らしは貧しく、個々の住居の内部は手狭で、質素なものだった。
近代を迎え、1860年頃、リソルジメント(国家統一運動)によってイタリアは一つの国に統一されたが、政治的主導権は常に中北部のイタリアが握り、南北の経済的、文化的格差はさらに広がった。中世以来、都市国家として独立と自治の伝統を築き上げ、18世紀以後はフランスやオーストリアの支配下で近代化を進め、市民社会の秩序を早くから確立できた北部に比べ、長らくスペイン支配下で封建的領主制度が続いた南イタリアは、後進性を背負い込むことになった。イタリアの悩みの種、いわゆる「南北問題」がこうして生まれた。[5〜6ページ]”
陣内 秀信, 南イタリアへ!―地中海都市と文化の旅
“南イタリアには、一度この地を知ると、虜になってしまう不思議な魅力がある。それもそのはずで、地中海に突き出た南イタリアは、古くから多くの民族が行き交い、さまざまな文化が交錯する地域であり、都市を探訪するにはもってこいの宝庫なのだ。世界広しといえども、都市の在り方がこれほど多彩で、感動的な風景と出会える場所も珍しい。
南イタリアの都市風景の多様性を生むうえで、ここに繰り広げられた歴史のドラマがそのベースになっているのはいうまでもない。古代のギリシア、ローマをはじめ、中世のビザンツ、イスラーム、そしてノルマン、さらにはフランスやスペインの支配下で、多様な文化が培われた。
そして、南イタリア都市の変化に富んだ迫力ある形態は、その古さと明らかに結びついている。中北部のイタリアよりも、中世の早い時期に都市を形成し、あるいは古代都市を復興したから、骨格となる層が古く、それだけ複雑な都市構造が生まれたのだ。しかも、南には、重厚な石づくりの文化を発展させた地方が多く、建物の持続性がそれだけ大きい。「イタリアの都市は歴史が重なっている」とよく言われるが、南イタリアを巡ると、それをいっそう強く感じる。ここでは、古い時代の建物の壁がよく残り、歴史の重なりがそのまま視覚化されているのである。
同時にまた、いかにも地中海世界らしい自然条件、気候風土が、独特の民家や都市・集落の姿をつくり出した。変化に富んだ地形とあいまって、都市や集落はさまざまな立地の在り方を見せている。
心地よい戸外での生活が活発なのも、南イタリアの大きな特徴で、それだけ近隣所のコミュニティの共有空間も発達した。人々の生活ドラマが繰り広げられる舞台としての都市空間は、我々の心を打つ。
南イタリアには、このように個性的で魅力ある都市が各地にあるのに、ほとんど調査もされず、眠っていることが多い。イタリアには歴史的価値のある建築や都市が多過ぎて、南部の小さな田舎町にまで、とても専門家の目が届かないのだ。[4〜5ページ]”
陣内 秀信, 南イタリアへ!―地中海都市と文化の旅


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